八王子市散田町在住のスポーツ好き親父の戯言!

八王子市の学童野球チーム散田ドラゴンズ元管理人(2007年3月~2016年2月)のブログです。

仰角(ぎょうかく)

2008年05月12日 23時26分51秒 | 指導・育成のうんちく
野球と全然関係ない本を読んでいて外野守備に関する例が出てきました。複雑な問題解決をするときに人間が使う「ヒューリスティックス」という考え方があります。日常生活の中で問題解決をする際に、いつもいつも時間をかけ合理的な推論をして意思決定をしていられないので、もっと簡単に意思決定をするための「簡便法」と言われたりもします。合理的な推論ではありませんから、バイアス(偏り)があり失敗することもあるのですが、生活の知恵と言われることや、ことわざなど上手に使えば有益なものですし、そうしないと暮らしていけないということがあります。
 
いい例えかどうかわかりませんが、例えば、初めて行く人気スポットの道が分からない時に大勢の人が行く方に付いていって目的地に着いたり、天気予報を見ずに朝晴れているので傘を持たずに外出したり、冷凍餃子が問題になった時に日本製品を選んで買ったりすることなどです。本当に合理的に推論するなら、地図を見たり、天気予報を見たり、工場の生産状況を調べたりすることが必要ですが、「大勢の人が行くこと」「晴れていること」「日本製品であること」などを判断の材料として利用し、簡単に意思決定をしているのです。
 
外野守備の場合はどうかというと、合理的に推論しようとすると、打球の初速と角度から飛距離を計算するということになりますが、当然そんなことをしている時間はありません。そこで、仰角をヒューリスティックスとして利用しているというのです。これまで外野のフライ処理に関しては、管理人も数多く経験して身体で覚えてくださいとしか言えませんでしたが、これを聞いてなるほどを思いました(かといって、これを聞いてすぐに捕れるようになるわけではないのですが…)。
 
どういうことかと言うと、打球に対して外野手が動かなければ、野手から見た打球の仰角はどんどん大きくなりますが、野手はこの打球を見上げる仰角を常に一定に保つように動き、最後に微調整をして捕球するということです。つまり、「打球を見上げる一定の仰角」をヒューリスティックスとして利用しているというのです。打った瞬間にこの一定の角度より大きくなればバックをして仰角を小さくし、小さければ前進して仰角を大きくするということです。管理人も無意識に打球に反応しているので、その角度が何度かは言えないのですが、練習でこの角度を見つけて、その角度を保つような身体の動きを身に付けてください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする