高校野球でタイブレーク導入の議論が再燃しているそうです。
元々はソフトボールで行われていたものが、少年野球や中学野球に導入されてきた経緯があると思いますが、少年野球や中学野球では、なじみ深いものです。
これが高校だと、突然、何が何でも白黒つけるということになります。サッカーW杯でも、下手したら今回の決勝戦でもPK戦になりかねませんでしたが、世界最大のスポーツの祭典でも、何が何でも白黒決着をつけるとはなっていません。
見る側にとっては、横浜松坂とPLの激闘、駒大苫小牧・田中将大と早実・斎藤佑樹の息詰まる投手戦などは、記憶に残る名勝負ではありましたが、現在、アメリカで戦う松坂や、田中が、ケガに苦しんでいる遠因は、高校時代の肩、肘の酷使ではないと言うことは出来ないと思います。
数年前から、高校野球の予選を見るようになりましたが、本当にあっと言う間に予選をこなしていきますし、それを勝ち抜くと、甲子園での戦いが始まり、勝ち進むほど過酷な日程で、連戦連投をこなすことになります。
面白い試合を見たいのは確かですが、やはり成長途上の高校生の身体を守ることの方がはるかに大事です。勝ち抜きたいという気持ちがある以上、ルール上の制約がなければ、どうしたって無理をさせます(倅のチームも、捕手に無理をさせたのは選手たちも疑問を持っていたようですし、父母もどうかと思いました)。しかし、投手にはタイブレークや、投球回数の制限があれば、肩の酷使を防げますし、故障者の交代を審判権限に認めるようにすれば、選手の故障を防げると思います。
名勝負もいいですが、大切なのは、野球を愛する選手たちの選手生命をしっかり守ることです。それが、野球のレベルを高め、ファンの拡大につながるのです。
選手を消費材ととらえず大切にする意味でも、タイブレーク導入を真剣に考えた方がいいと思います。アメリカのがんじがらめの100球制限もどうかと思いますが、プロでもこれだけガチガチにやっているのに、まだ成長途上の高校生に対しては、配慮がなさすぎです。「急がば回れ」というのは、本当に大切な教訓です。