ひげ爺のお産・子育てご意見番

子どもは育つ力を持って生まれてきますが
親に子育てする力が減っています。
親育て支援の中で感じたことを書いています。

頚部浮腫の診断ホントですか???

2008年06月17日 | 産科医療を考える
頚部浮腫の相談や私のブログのヒットで一番多いのは「頚部浮腫」です。
産院が競って最新の3D、4Dのエコーを導入していますが、せっかく器械を購入してもそれに伴う技術がなく、自分の未熟な技術を棚に上げ、頚部浮腫との診断を告知するケースが非常に多い。
その結果、多くの小さな命が奪われていることに、いつも憂いています。
画像診断や、胎児診断には、解析する力量が問われます。
またその力量は、天と地ほどの差があります。
また、それらの医師がいる地域といない地域の格差はとても大きいです。
病院選びは慎重にしてください。
今回は私が支援をさせていただいた方から、出産の報告がありました。
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ご無沙汰してます。
昨年末に○○マタニティークリニックを紹介して頂いた○○△△です。
羊水検査の結果、異常なく、5月8日に無事、女の子を出産しました。
検査結果後、私の体験をお知らせしたかったのですが、体調不良と日々の生活に追われ、報告できずにいました。
産後、やっと時間が持てたので、まとめたものを送ります。

妊娠中は本当にお世話になりました。今、無事に赤ちゃんが産まれて抱いていられることが幸せで、赤ちゃんが泣いてもぐすっても可愛くて仕方ありません。
本当にありがとうございました。

11月6日(11週)
近所の産婦人科
健診
NTが4.9ミリあると診断。大学病院で羊水検査を受けるよう紹介状を渡される。

11月7日

大学病院
エコーするも赤ちゃんの角度が悪いためNT見つからないと言われる。
羊水検査の予約、結果の日程、陰性だった時の中絶の日取りなど、決める。

11月9日
セカンドオピニオン
NT見つからず。
14週頃から消えることはあっても、数日でNTが消えることはない。と、言われる。染色体異常の確率、1~2割と書かれた専門誌(臨床婦人科産科・医学書院)を見せてくれる。

同日
近所の産婦人科
診断ミスと認めてほしくて再度エコーをしてもらう。NT見つからず。
NTは出たり消えたりすると言われる。
染色体異常の確率、7~8割と口答で伝えられる。

11月11日
セカンドオピニオン
またNTがでるのでは、と、不安になりエコーで見てもらう。見つからず。

11月12日(12週)
たまごママネットの医療相談に書き込み。

11月13日
たまごママネットの方から胎児に詳しいA先生を紹介してもらう。
胎児ドックの予約を入れる。
11月17日
セカンドオピニオン
再度エコーしてもらい、NTが出ていないか確認。
異常なし。

11月20日(13週)
A先生
初期(妊娠11週~13週)の胎児ドック受診。
異常なし。
カウンセリングの予約もしていて、羊水検査の詳しい説明や現在悩んでいることなど、だっぷり時間をとって相談にのってもらう。

12月13日(16週)
P先生
羊水検査。

12月28日(18週)
A先生
羊水検査の結果と中期胎児ドック受診。
両方とも異常なし。

A先生を紹介してもらったのは本当に救われました。
産婦人科の先生=妊娠、出産のことなら何でも知っている。と、思っていたのに、実際には先生によって違うことが多々あり、説明や表現の仕方でこちらは傷ついたり、希望を持てたり。
A先生の説明と表現が私にとっては全てがしっくりきました。先生はこうおっしゃいました。
 私は何年も前から胎児ドックという名前で胎児の研究をしていますが、エコーの性能が良くなって、今まで見えなかったものが見えたり、NTという言葉が広がって、染色体異常の可能性があると言われるようになったのはこの1~2年のことなのです。
その結果、NTがあると泣きながらココにくる妊娠さんが増えました。でも、ほとんどは笑顔で帰られますよ。
午前中に他の病院でNTがあったからと、午後に来られて、消えてる。なんてケースもありました。
大人でも水分を取りすぎて顔がむくむことがあるでしょ?まだお腹の中で動きだして10週くらいの胎児にむくまず調節しなさい!というほうが難しいと思わない?
そして、確率ですが、NTといってもあなたのようにすぐ消えてしまった胎児と14週まで消えない胎児を同じ枠に入れて率を出すのは正確ではないし、ずっと消えない胎児でも100人に1人も異常のある子はいませんよ。
エコーの使い方にも個人差があるし、厚く計ってしまったり、赤ちゃんが反り返ってるときはNTも厚くなるでしょ。(P先生に私の赤ちゃんのビデオを見てもらいましたが、まさに反り返って、厚く計っている。とのことでした。普通に計っていれば3ミリ代だったでしょうね、とも。)
羊水検査の結果がでてから言われたことですが、先生はエコーを見て、染色体の何番に異常があるかまで予想がつくそうです。
勿論、羊水検査をしないと100パーセントではないので、検査前には何もおっしゃいませんでしたが。
今思えば、胎児ドッグで異常がないと言われた時に、大丈夫だと信じる余裕がなぜなかったのかと。
そうすれば、お腹に針を刺したり、赤ちゃんに怖い思いをさせずに済んだのに。
ただ、夫や親の意見はこうでした。1パーセントでも異常の確率があるならやめておけ!(そんなに障がいのあることは避けなければならないか?)
上の子二人の将来を考えれば正論かもしれませんが、もうお腹の中で生きている子を自分たちの都合で処分するなんてできないと思いました。
結局は自分のことなので、納得のいくまで調べたり行動するしかないんだと思います。
もし、染色体異常があって赤ちゃんを断念していたら、一生後悔していたと思います。でも、もし産んでいたら…私は後悔しなくても、上の子ども達や本人がどう思うようになるのかは想像の範囲を超えます。
 簡単に答えのでることではないし、異常がなかったから済んだ事と終わらせれるものでもありません。
これから、私が死ぬまでに出会う障がいのある人達とどう付き合っていけるのか、考えていきたいと思います。
**************
本当によかったですね。
でもこれはとてもまれなケースだと思います。
幸い、診断や画像解析の高度な技術をもっている医師が近隣にいたことが幸いしました。

皆さん産院選びは慎重にしてくださいね。
悲劇を生まないためにも。

障害に対する偏見を無くすと素直に状況判断ができます。




コメント (1)
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