相模原市南区麻溝台に四季折々の花が絶えない「相模原麻溝公園」はある。当園の「花の谷」の一画に数本植栽されている「ロウバイ」(蝋梅)が、まだ殆どが蕾であるなか、数十輪ほど琥珀色の光沢のある花びらを披露し始めていた。近寄って見るとフルーティな甘い香りが漂っている。この「ロウバイ」は冬に咲くことから「ウィンター・スウィート」とも呼ばれる。本当に蝋細工のような花は光沢を帯び琥珀色をして陽ざしを受けて透き通って見える。名に梅がついているが梅ではなく中国原産のロウバイ科の落葉低木である。種類は福寿蝋梅、満月蝋梅、素心蝋梅、実生蝋梅の4品種がある。当園にも「淡い黄色」の素心蝋梅と「濃い黄色」の満月蝋梅の2種類があり素心蝋梅が咲いている。芳香のある黄色い花が下向き、横向きに咲き、内側の花被片が暗紫色で外側が黄色である。花弁は透明感があり蝋質を思わせる。花の少ないこの季節(蝋月=12月)に「ロウバイ」は希少花である。(2312)
港区愛宕に江戸府内の曹洞宗の寺院を統括した江戸三箇寺の一つ「萬年山青松禅寺」は鎮座している。文明8年(1476)太田道灌が雲岡舜徳を招聘して創建。当初、武蔵国貝塚(千代田区麹町周辺)にあったが徳川家康による江戸城拡張に際して当地へ移転した。移転後も長く「江戸貝塚の青松寺」と称され、長州藩、土佐藩、津和野藩などが江戸で藩主や家臣が死去した際の菩提寺として利用された。本尊は釈迦牟尼如来。神谷駅傍301号線日比谷方向左側に見上げるほど高く大きく立派な四天王像(広目天、持国天、増長天、多聞天)配した「山門」より入山すると「中門」がある。手入れの行き届いた美しい境内正面に構えられた「本堂」がある。本堂右に庫裡と「観音聖堂」、左に「坐禅堂」、その奥に「千里社稲荷」と「智正庵」がある。かつて「獅子窟学寮」を擁し、明治初期曹洞宗大学林専門本校開校、翌年泉岳寺学寮、吉祥寺学寮「旃檀林」と統合し、今日の「駒澤大学」へと発展した。(2312)