杉並区荻窪3丁目に杉並区では一番、都内でも10本の指に入る紅葉の美しい名所・公園といえば音楽評論家「大田黒元雄氏」の屋敷跡地に造られた「 太田黒公園」である。大田黒元雄氏は紫綬褒章、紫綬褒章などを受賞している大正から昭和期の音楽評論家で、死後同氏の遺志で区に寄贈された。開園は昭和56年10月。面積は約9000㎡。荻窪の緩やかな起伏する台地に自然の地形をそのままに活かした、杉並の区立公園としては初の回遊式日本庭園である。荻窪駅南口より10分、荻窪東保育前に総檜、切妻造りの「正門」があり、左右周りは築地塀で囲まれどっしりとした構えになっている。正門を潜ると白い御影石を敷いた70mの石畳(園路)、左右には樹齢100年超の27本の大イチョウの並木となっている。訪れた日は真っ黄色に紅葉し葉の間から陽ざし木漏れ日が注ぎ、まるでいちょう回廊、いちょうトンネルとなって幻想的な美しさを作りあげている。園路を進むと植込みの中の低い階段に行きついた先に「管理棟」(茶室、休憩所と事務室)と「中庭」と「記念館」がある。正面に緑の芝生広場、所々に石灯籠もあり中々の風情である。芝生広場の奥にカモやコイが泳ぐ「池」と「東屋」を配した回遊式日本庭園が広がっている。特に園内、池の周りのケヤキ、アカマツ、シイノキ、カエデがやっと紅葉、黄葉し始め美しさの片鱗を窺わせてくれた。訪れた日は夕方から夜間ライトアップされる初日(11/26)であった。それにしてもこの広さ、美しさを有する庭園が個人のお家であったとは驚きである。(2011)
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