島津勢の鎮圧を終えて軍の撤退を命じた関白は、肥後の八代に来た。
必要な戦後処理がまだ残っていたからである。
八代の地は、美しく、清らかで、優雅で豊穣で、とあるだけの形容詞を
並べて、フロイスはこの土地のすばらしさを強調したいる。
よほど魅せられたのであろう。
まるで日本の自然は、そこに鮮やかな技巧による緞帳を
張ったかのよう (4・177)
と、もはや浮かれたような口調である。
そこに住むデウスの教えの敵が残酷であるだけに、その地の美と快適さ
はひとしおである、とも述べている。
見渡す限り、小麦や大麦の畑が展開し、清浄で優雅な樹木に掩われた
森には、多くの寺院が散見し、小鳥たちの快い囀りが満ち溢れている。
このもっとも優れた領内の場所を、仏僧たちが所有し、居住している、
と伴天連らしく嘆いている。
この風光明媚な八代に関白が来ていることが知れると、各地から参集
した諸侯の関白詣でが始まり、地元は騒然となった。 (以下略)
川崎桃太著「フロイスの見た戦国日本」
P83「肥後八代の関白と伴天連」より
必要な戦後処理がまだ残っていたからである。
八代の地は、美しく、清らかで、優雅で豊穣で、とあるだけの形容詞を
並べて、フロイスはこの土地のすばらしさを強調したいる。
よほど魅せられたのであろう。
まるで日本の自然は、そこに鮮やかな技巧による緞帳を
張ったかのよう (4・177)
と、もはや浮かれたような口調である。
そこに住むデウスの教えの敵が残酷であるだけに、その地の美と快適さ
はひとしおである、とも述べている。
見渡す限り、小麦や大麦の畑が展開し、清浄で優雅な樹木に掩われた
森には、多くの寺院が散見し、小鳥たちの快い囀りが満ち溢れている。
このもっとも優れた領内の場所を、仏僧たちが所有し、居住している、
と伴天連らしく嘆いている。
この風光明媚な八代に関白が来ていることが知れると、各地から参集
した諸侯の関白詣でが始まり、地元は騒然となった。 (以下略)
川崎桃太著「フロイスの見た戦国日本」
P83「肥後八代の関白と伴天連」より