地質調査のアルバイトで知り合った4歳年上の久住亮平と3年間交際し、亮平と暮らすことを最優先して東京勤務前提で人に話したときに通じるようなある程度有名な会社がいいくらいの意識で就活に励むが結果が出せないでいる大学4年生の森田なつきが、就活の合間に亮平と北海道旅行することになって幸福駅で待ち合わせるが、待てど暮らせど亮平が現れず、夕方になって電話したらごめん、行けないと言われて呆然とし、いや号泣し泣き叫び、それを撮影して動画サイトにアップした小学4年生の槙田遥希とその父とともに道東を旅することになって…という青春失恋傷心小説。
父親が死んだ母親の姿を撮り続けて作ったビデオ作品「失恋したての女の子」を50回以上観て台詞を全部覚えている小学4年生、それに影響されてか、自分が好きな同級生が他の男が好きだというので、「自分を満たそうとするのが恋。自分よりも相手のことが大切になるのが愛だよ。さほちゃんは洋太のことが好きって言ってたから、僕は恋じゃなくて、愛することにしたんだよ」(118ページ)なぁ~んて言ったりする。おませなのかおとぼけなのかわかってないのか、よくわからないけど、この遥希の存在で作品が柔らかくなり、癒やされる。下ネタを言わないちょっとおとなしいクレヨンしんちゃんみたいな感じでもありますが。
中村航 角川文庫 2022年11月25日発行(単行本は2019年8月)
父親が死んだ母親の姿を撮り続けて作ったビデオ作品「失恋したての女の子」を50回以上観て台詞を全部覚えている小学4年生、それに影響されてか、自分が好きな同級生が他の男が好きだというので、「自分を満たそうとするのが恋。自分よりも相手のことが大切になるのが愛だよ。さほちゃんは洋太のことが好きって言ってたから、僕は恋じゃなくて、愛することにしたんだよ」(118ページ)なぁ~んて言ったりする。おませなのかおとぼけなのかわかってないのか、よくわからないけど、この遥希の存在で作品が柔らかくなり、癒やされる。下ネタを言わないちょっとおとなしいクレヨンしんちゃんみたいな感じでもありますが。
中村航 角川文庫 2022年11月25日発行(単行本は2019年8月)