鹿島春平太チャーチ

「唯一の真の神である創造主と御子イエスキリスト」この言葉を“知っていれば”「天国での永生」は保証です。

Vol.47 「5章 統治者心理には獣性が浮上」(1)~信徒が信徒を殺す奇異事態に~

2012年03月15日 | 「幸せ社会の編成原理」

  


      
この章では、カトリック教団が行った聖句主義者絶滅作戦の様子と、人間はどうしてそういうことが出来るか、を示します。
      
聖句主義者に対するカトリック教団の同化要請はどんどんエスカレートしていきました。
対抗相手が弱すぎて、強者側が圧倒的に強いといつの世でもそうなりやすいのです。
情報発信力で原発反対者を圧倒した電力会社の行動がエスカレートしたのと同じです。

そして相手がどうしても同化してこないと、強者は今度は絶滅作戦に出ます。
これもコンスタンチヌス帝前のローマ帝国政府が、キリスト信徒全体にたいしてとった行動と同じです。

今回は、カトリック教団がかつてのローマ政庁の行動をとることになりました。
本章ではそれを示します。信徒が信徒を殺し続ける・・・。
見方によっては奇異なる事態ですが、事実は小説よりも奇なり、です。

統治者の一部となったこの教団は軍隊を用いることが出来ました。
これでもって殺戮を繰り返すようになっていく。

しかし人間はどうしてそんな風に豹変して行かれるのでしょうか。
統治者になると、その心理に獣性・凶暴性が浮上するからですが、
そのこともあわせて本章では論じます。

(二日ほど旅行に出ます。明日夜に帰宅したら、連載を再開します)



 

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Vol.46 「4章 統治者は異質集団に同化を要求」(5)~中世「暗黒時代」は「思いを縛る」時代~

2012年03月15日 | 「幸せ社会の編成原理」


  
      
      
幼児洗礼は戦国時代に徳川幕府が日本のクリスチャンに対しておこなった「踏み絵」に似ていますね。

幕府は人民にマリアや十字架やイエスを描いた聖画を踏ませました。
踏まなかったり踏むのを躊躇したりすると隠れクリスチャンであるとわかってしまいます。
幼児洗礼制度は、国教会たるカトリック教会に従順でないものを表に出てしまう
リトマス試験紙でもありました。

だが聖句主義者にとっては「信じる信じないの判断も出来ない」赤子に洗礼を授けるなど論外でした。
「秘蹟や堅信礼などの神学理論は聖書に則らない詭弁」にすぎませんでした。

こういう人たちには「まあそんなお堅いこと言わんでよろしいがな・・・」と
関西弁で柔らかく迫っても効果はありません。
もはや力で行くしかなく、教団はここでも10年間のリードタイムの後、
426年に「幼児洗礼法に従わない親は処刑」との法令を追加しました。

幼児洗礼は聖句主義者にとって、「踏み絵」以上のものとなりました。

いまやカトリック教団は国家の宗教庁ですから軍隊を動かすことができます。
彼らは聖句主義者たちの居住地を襲い、とらえ、殺しました。

聖句主義者はピレネーやアルプスの山々の谷間やスイスの僻地にのがれて活動を続けました。
軍隊はそれを見つけ出してまたとらえ、殺すの繰り返し。
これが宗教改革までの1200年の長きにわたって延々と続くことになりました。
(この事実も公式歴史記述のなかではすべて隠蔽されています)

その間、思想検査もエスカレートして、異端審問裁判所という機関までできました。
異端とは「正統とする教理に沿わない理論」という意味です。
聖句主義者でなくてもカトリックの教理に沿わないことを述べるものは、ここで異端と判決して処刑しました。

コペルニクスはそれを恐れて自らの地動説を二十年間隠しました。
ガリレオは地動説を述べたかどで告発され撤回させられました。
教団教理は天動説で、それに反する理論は異端だったのです。

ジャンヌダルクも彼女独特の言動の故に異端審問裁判にかけられ火刑に処せられています。

こういう社会体制は例外なく秘密警察的存在を持ちますし、人民同士の密告も常にあり、となります。
一般人民は「いつ何時なんで告発されるかわからない」とおびえて暮らす毎日になる。
すると人間の精神は萎縮していき、知性も恐怖で萎えてしまい、
自発的な探究も発見も発明も出なくなります。
世に言う中世暗黒時代の実態は、こういう「精神の暗黒時代」だったのです。

その反面中世には、古代にあったような大きな戦争は起きませんでした。
その意味での平和が実現された時代として中世を評価する向きもあります。

だが平和にもいろいろあります。
人民を恐怖の中において「心の平安を奪い、精神・知性の活力を衰えさせて実現する、
単に戦争がないだけの平和」の中で人間のしあわせ度は高いでしょうか。

(次回から5章に入ります)


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