昨日久しぶりに、新宿三丁目の「どん底」に呑みに行って、やっぱり新宿っていいよなと思った次第。舗道も雑居ビルも、古い看板も、何もなかったように店を開いている桂花も、それから人も、全部から体液みたいなものが一度出て中途半端に乾いたような感覚で。
今日も新宿三丁目に出かけてエリオット・シャープの演奏を聴こうかと目論んでいたが、いろいろあって断念。そんなわけで、よくわからない吟醸酒を一人で家で呑みながら、三上寛が新宿二丁目で行ったライヴ『異議ナシ!』(OPEN、2003年)を聴く。
三上寛はいつだって最高である。「昔、ゲイ方面のひとたちにはお世話になったものです。お世話したことも」と言うMC、深沢七郎のギターの話。それに何と言っても、名曲「オートバイの失恋」。日本海に向かって、「身体を震わして まるで泣いているように泣いていたという」オートバイの失恋を諄々と説き、叫び、咽ぶこの唄。これは世界そのものだ。
オートバイの失恋 オートバイの失恋が
今 あなたがたが座っている
椅子と無関係ではない
三上寛、レディージェーン、2005年 Leica M3、Summicron 50mmF2、Tri-X(+2)、フジブロ3号