マリリン・クリスペル『A Concert in Berlin』(FMP、1983年)を聴く。
Marilyn Crispell (p)
かなり初期のクリスペルの演奏。2年ほど前の1981年にWoodstock Jazz Festivalで弾いた映像ではまだ個性的なものが感じられないが、ここでは知的に硬質なソロを繰り出してきており、やはりクリスペルだ。残響を利用することもほとんどなく、潔いスタイルである。特にモンクの「Evidence」など冷たい水のように清冽。
このあとクリスペルのピアノ世界は成熟してゆき、最近の作品はややつまらないかなと感じている。しかし、2015年にThe Stoneで観たクリスペルは、そのスタイルで微笑みながら淡々と弾くのだけれど、魔女なのかとさえ思えるほど幻惑される音だった。
●マリリン・クリスペル
ハーヴェイ・ソルゲン+ジョー・フォンダ+マリリン・クリスペル『Dreamstruck』(2018年)
マリリン・クリスペル+ルーカス・リゲティ+ミシェル・マカースキー@The Stone(2015年)
「ニューヨーク、冬の終わりのライヴ日記」(2015年)
ガイ+クリスペル+リットン『Deep Memory』(2015年)
プール+クリスペル+ピーコック『In Motion』(2014年)
ゲイリー・ピーコック+マリリン・クリスペル『Azure』(2011年)
クリスペル+ドレッサー+ヘミングウェイ『Play Braxton』(2010年)
ルイス・モホロ+マリリン・クリスペル『Sibanye (We Are One)』(2007年)
マリリン・クリスペル『Storyteller』(2003年)
マリリン・クリスペル+バリー・ガイ+ジェリー・ヘミングウェイ『Cascades』(1993年)
ペーター・ブロッツマン
エバ・ヤーン『Rising Tones Cross』(1985年)
映像『Woodstock Jazz Festival '81』(1981年)