Sightsong

自縄自縛日記

ガネリン・トリオの映像『Priority』

2013-10-19 10:35:04 | アヴァンギャルド・ジャズ

ガネリン・トリオのライヴDVD、『Priority / Live at the Lithuanian National Philharmony Vilnius 2005』(NEM Records、2005年録音)を観る。

Vyacheslav Ganelin (p, key, perc)
Petras Vysniauskas (as, ss)
Klaus Kugel (ds, perc)

かつてのウラジーミル・チェカシン、ウラジーミル・タラソフとの元祖ガネリン・トリオではなく、はじめて知るサックス奏者とドラマーである。

ヴャチェスラフ・ガネリンはたいへんなテクニシャンである。片手で高速のパッセージを弾きまくりつつ、もう片手で、ピアノの上においたキーボードを操る。その出し方が重力にしばられておらず、静かなる展開から、交響曲のような雰囲気に、まったく唐突にシフトする。飄々と、簡単に引き出しから出すように、である。そしてメロディーは、親しみやすいものからパイプオルガン曲のような壮大なものまで。ときにはクラウス・クーゲルとのパーカッション合戦。

主流からの逸脱というより、逸脱そのものが主流となっている。面白い。

●参照
セルゲイ・クリョーヒンの映画『クリョーヒン』
ロシア・ジャズ再考―セルゲイ・クリョーヒン特集
現代ジャズ文化研究会 セルゲイ・レートフ


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