Sightsong

自縄自縛日記

レンジファインダーの距離計精度

2007-01-06 21:39:46 | 写真
ライカ型レンジファインダーカメラの距離計精度を評価する際には、基線長×倍率の有効基線長がとりあげられる。
『写真工業』誌、2000年5月号に、「47年前の測距能力計算」として紹介されていたので、ためしにグラフ化してみた。
2000年の47年前、つまり同誌での1953年の記事を引用したものである。なお、最小錯乱円(ボケの限度)を1/20mm、目の角度分解能力の限界を1分(0.00029ラジアン)としている。



これをみると、Bessa Rのタイプでは、90mmの明るさはf3.5が限界、Hexar RFでは90mmエルマリートは使えるがズミクロンは苦しいことになる。また135mmf4を使うにはM型の有効基線長が望まれることになる。
以前にBessa R2を使っていたときには90mmを使うことはなかったし、いまM3でエルマリート90mmf2.8を使ってピントをはずすことは少ない。その意味では、使い分ければ90mmであっても一眼レフよりピンボケ率が個人的には低い。

ただ、ライカM2に対する当時の『アサヒカメラ』誌「ニューフェース診断室」では、「安全率」と定義したものを計算し、ズミクロン50mmf2で基準ぎりぎりとしているようだ(『国産カメラ開発物語』小倉磐夫著、朝日新聞社)。計算方法や前提条件が異なるものの、ずいぶん厳しい評価であり、感覚的にはそんなことはないだろうと思う。これに対するライカの返答は、「上下像合致式としても使える場合には測距精度はその計算結果より高い」ということだ。
その考えでは、キヤノンIVSbなどの変倍ファインダーを望遠にしてライカM3なみの有効基線長としても、二重像はまわりがぼんやりしているため、実質的にはM3ほど良くなく、また逆に二重像のエッジが明確なBessaでは有効基線長で評価するよりも実質的な精度が高いということになる。このあたりは考えようだろうか。

それよりも、二重像が縦ずれを起こしやすいかどうか、またレンズとの相性、のほうが気になる。Bessa R2の場合は、何度も縦ずれを起こして気持ち悪く、そのたびに浅草で調整してもらった(無料、ライカならライカ銀座で3,000円とられる)。また、レンズによって無限遠が合うボディとずれているボディがあるので、ボディを2台用意して使い分けている。実際に、M型であっても、開放で近距離の場合、相性が悪いとピントが前後にずれるからだ。このような問題のため、ライカ用レンズをボディとあわさずに通販で買うことができない。

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