ヴィニー・スペラッツァ+マサ・カマグチ+ジェイコブ・サックス『Play Dameron』(Fresh Sound Records、2015年)を聴く。
Vinnie Sperrazza (ds)
Jacob Sacks (p)
Masa Kamaguchi (b)
こうしてタッド・ダメロンの曲をあらためて並べられると、「On a Misty Night」、「If You Could See Me Now」、「Soultrane」、「Our Delight」、「Hot House」など名曲揃いである。
バリー・ハリスがピアノトリオで吹き込んだダメロン集『Plays Tadd Dameron』(1975年)は、演奏者としても、時代的にも、渋いバップの文脈で音楽を提示していた。当然であり、ハリスにはどうしてもそれを求める。
一方の本盤。ジェイコブ・サックスのピアノは旋律を鮮やかに解体再構築。マサ・カマグチの重く香り立つようなベースも聴き応えがある。現代のダメロン集である。しかしどうしても耳の中でおさまりが悪いというか、この音楽の座席を探してしまう。もちろん先祖返りなんかしなくてもいいのだが(後ろ向きのピアノトリオなんて聴きたくない)、ではもっと過激にやってほしいと内心思っているからかな。
●ジェイコブ・サックス
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas V』(JazzTokyo)(2016年)
デイヴィッド・ビニー『The Time Verses』(2016年)
アイヴィン・オプスヴィーク Overseas@Seeds(2015年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas IV』(2011年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas III』(2007年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas II』(2004年)
●マサ・カマグチ
蓮見令麻@新宿ピットイン(2016年)
●タッド・ダメロン
バリー・ハリス『Plays Tadd Dameron』(1975年)