高田馬場のGate Oneにて、永武幹子、瀬尾高志、竹村一哲というピアノトリオ(2017/11/3)。
Mikiko Nagatake 永武幹子 (p)
Takashi Seo 瀬尾高志 (b)
Ittetsu Takemura 竹村一哲 (ds)
スタンダードの「I'll Be Seeing You」で、いきなり曲そのものに憑依する永武さんにああヤバいと息を呑む。次の「La Pasionaria」(チャーリー・ヘイデン)では、最初は右手だけでピアノを長く響かせて、やがて左手とドラムスとベースが参入する。瀬尾さんのベースが前面に出てきて、ピアノがバッキングする展開もあった。「Reef」では主導するベースが強く張られた弦によって軋み、サウンドは哀しみから悦びへと変化していった。そして「Kneebus」(ミシャ・メンゲルベルク)においては、ミシャらしく、ダダイスティックに三者別々の動きを見せつつも愉悦のテーマへと収斂した。竹村さんのドラムスがドライヴしたのだが、突然破裂音を発したり、おもむろに我が道を疾走したりと、ハン・ベニンク的な要素がみえた。ファーストセットの最後は、アイリッシュを意識したという永武さんのオリジナル曲「Dancin' on O'Connell Bridge」。ドラムソロは、鼓膜がびりびりと震える音圧の強さがあり、また、シンバルの多層的な響きがあった。
セカンドセット。「Warm Valley」(デューク・エリントン)に続き、セロニアス・モンクの「Jackie-ing」をモチーフにした演奏。以前にはやはりモンクの「Moose the Mooche」を使っていたと記憶しているが、このようにサウンドのちゃぶ台をひっくり返すような遊びは聴いていて愉快。そして、本田竹広のじわじわくるブルース「Longing」、さらに、「Salaam Salaam」。永武さんは左手の低音で地響きを創りながらソロを取り、突然、リズムを変えてベースとドラムスとが加わって走り始める。強靭なベースがあり、間合いをはかってピアノとドラムスとがまた見事に参入した。竹村さんのドラムスはここでは構造的なものに聴こえた。
Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4
●永武幹子
酒井俊+永武幹子+柵木雄斗(律動画面)@神保町試聴室(2017年)
永武幹子トリオ@本八幡cooljojo(2017年)
永武幹子+瀬尾高志+柵木雄斗@高田馬場Gate One(2017年)
MAGATAMA@本八幡cooljojo(2017年)
植松孝夫+永武幹子@北千住Birdland(JazzTokyo)(2017年)
永武幹子トリオ@本八幡cooljojo(2017年)
永武幹子+瀬尾高志+柵木雄斗@高田馬場Gate One(2017年)
坂田明+今井和雄+瀬尾高志@Bar Isshee(2016年)
板橋文夫『みるくゆ』(2015年)
ジャスト・オフ『The House of Wasps』(-2015年)
寺田町+板橋文夫+瀬尾高志『Dum Spiro Spero』(2014年)
バール・フィリップス+Bass Ensemble GEN311『Live at Space Who』(2012年)
寺田町の映像『風が吹いてて光があって』(2011-12年)
齋藤徹、2009年5月、東中野(2009年)
●竹村一哲
纐纈雅代トリオ@新宿ピットイン(2017年)
板橋文夫『みるくゆ』(2015年)
纐纈雅代『Band of Eden』(2015年)