ホテルから駅前の商店街に出る。ラーメン屋が見えたが、いくらなんでも夕食にラーメンというのも、と思い商店街を歩く。
ところが、いくら歩いても通常の店はあるものの飲食店がない。鮨屋、居酒屋らしきものもないことはなかったが、地元の人のみで賑わっていそうで、入りやすそうなところを探していたら商店街の果てまで来ちゃった。それにまだ午後7時ごろなのに、店もだいぶ消灯している。これはいかんな、と思いまた引き返す . . . 本文を読む
朝からなんばに行く。
まずTOHOシネマズで「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」。
アカデミー賞等で今話題の映画である。ティム・バートン監督。「シザーハンズ」「フィッシュ」等ハートウォーミング映画で鳴らした人である。
ところが、まさに血、血しぶき、人間丸焼き、人間ミートパイ、僕の一番嫌いな刃物、、。
あまりの想像外で、この手が好きな人が見たら少々問題かもしれない映画でもあります。
昼 . . . 本文を読む
山崎豊子原作ものはそもそもエンターテインメント度もかなり高く、面白くないわけがないのである。しかしこの作品は珍しく時代性をずしんと感じる洋裁学校を扱っているので、現代人には何のことか分からないのがみそなのであろうか、、。
まあ、面白く仕上げた脚本で、まったく退屈することはないが、やはり一番目立っているのは田宮二郎のドンファン、悪徳ビジネスマンであろう。とにかく大阪弁が早く、明確で、しかも少々コメデ . . . 本文を読む
まあ一般庶民にはほとんど関係のない遺産相続の話ですが、これがまた大阪の船場ものなのでやたら面白い。
原作が凄いんでしょうが、脚本もうまい。しかも大映屈指の俳優陣の総出演、演技力もみんな100%発揮。これで面白くないわけがない。
まあそれにしても出てくる人たち、みんなすごいエネルギッシュで、エゴ丸出し。しかもこてこての大阪弁。人間の欲望が丸見えなのであります。ここまであからさまに素通しになると、驚き . . . 本文を読む
ミュージカルなんだけどダンスシーンは皆無というのは珍しい。ミュージカルが余り得意でない僕としては、あ、しまったと思ったけれど、それ以上に拷問のような映像が待っていた。
まず、ゴキブリが苦手であのパイには参った。次は僕は何を隠そう刃物恐怖症なのだ。だから、あのシーンはまともに目を開けていられない。血しぶきはそれほどでもないが、でもあまりに殺戮シーンが多く、驚きだ。
ティム・バートンって、こういうグロ . . . 本文を読む
「※観客席は安全ではありません。」とのチラシがあった。
普通の民家等を改造したアトリエでの上演らしいのは分かっていたので、建付けでも悪いのかなあと思っていた。入ると、スタジオの中央に向かって、円形に折りたたみ椅子が用意してあり、舞台と言えるものはない。
まず思ったのが、普通の舞台上演ではないなあ、ということであった。そのうち始まったのだが、脚本があるのかどうか分からない、言葉の洪水、観客参加型であ . . . 本文を読む
イギリス映画って本当に人間の人生を限りなく真摯に見つめていてその切り取り方が鮮やかです。
最初渋谷でこの映画が上映しているのも知っていたんですが、マリアンヌ・フェイスフル主演ということで断念したことがあります。というのも、僕にとってはマリアンヌはヤングのときの永遠の女性でしたから、40年ぶりにその老醜ぶりを見たくなかったわけです。美しいものは永遠に僕の胸に暖めたかったのです。アンナ・カリーナの変貌 . . . 本文を読む
時間をたっぷり使ってフロンティア精神溢れるよき時代の男の心を鮮烈に描き切った秀作です。
ジェシー・ジェームズって、アメリカ一の早撃ちだということ以外知識はなかったし、しかもそれはわが子供時代のガキ同士の会話で得たものなのだ。
最初はアメリカで超有名な人物たちらしいことで説明が不足しており、日本人にはその人間関係が難しく、演出も二人の心理描写をじっくり描写しているので娯楽性があるわけではないが、映像 . . . 本文を読む
話の結末は知っているだけにどうしてもそれまでの過程が哀しく見える映画である。だが、トーンが全体に明るくしかも澄み切った青空のようにさわやかなのが救われる。
この映画の中では時代も、政治も、現実の生活でさえも重くのしかかってはこない。美しい人生、この世の中に天使のように舞い降りてその人生を全うした人間が一人ぐらいいてもいいのではないか、と思ってしまう。
ラスト、青年が立ち上がり、最後の手段として、ホ . . . 本文を読む
玄関を出た時はまだ雨が降っていた。たいした雨ではない。だが荷物も多く、傘が邪魔だ。今日から一人ぶらり旅。考えたら出張ついでに旅をしたことはあるが、旅を目的で一人旅をするのは何十年ぶりだろうか、、。
特に目的もない旅なので、その意味で楽しみである。
新幹線で岡山経由で倉敷へ。
駅前は広々としている。重い荷物をロッカーに入れて、さて出発。
傘をさしての倉敷からの駅前通は何の変哲もない道だ。そのうち美観 . . . 本文を読む
映画的にはかなり面白い映画ではあるものの、ファンを選ぶ映画であるのも事実だ。最初と最後のインタビュー以外ではまったく全篇せりふがないのだ。もちろん字幕なんかは出てこない。観客は目を凝らして画面をただつくねんと追うばかり。
同じ時間、同じ行動、朝が来て歯を磨き労働に明け暮れ風呂に入りただ寝るだけ。
そんな現代では非日常的な日常が繰り返し同じシークエンスで描かれてゆく。
観客は繰り返されるその単純な日 . . . 本文を読む
何ら新しいところのないホラー映画でございます。こういうこけおどし映画でも、やはりせめて主役の女性の心理ぐらいはきっちり描いてもらわないと紙芝居と紙一重になってしまう。
夫に対する愛が彼らの写真で埋め尽くされていた部屋で何かしんみりした愛情的なシーンがあるのかと思い見つめていたら、それはただ夫を油断させるだけのものであり、彼女は隠し持っていたナイフで変形してしまった夫を刺し殺そうとするのであった。い . . . 本文を読む
期待して見始めて、途中でやはり女の子の見る映画かなと思い気恥ずかしくなったが、後半になり周囲が真相に気づき始める辺りから俄然面白くなり最初の期待感が充実感に変わり、そしてあのラストのコンサート。
泣きました。やられました。エンターテイメント映画の真髄とでもいえる面白い映画なのです。
良く考えるとこの映画は起承転結、少しも無駄のない立派な映画の骨格があります。あれほど漫画チックな話なのに(実際原作は . . . 本文を読む
今日は朝早く起きたので通勤時間から梅田に出る。映画館はテアトル梅田だ。9時40分ごろに着いた。平日の木曜日なのでガラガラと思っていたらなんとほぼ満員。映画は「北辰斜にさすところ」。
戦時中の七校(旧鹿児島大学)と五校(旧熊本大学)の対抗野球試合の話です。
戦争で南の海に眠っている人たちが多くその英霊たちが突如出てくるラスト近くの野球シーンはアメリカ映画の「フィールドオブドリームス」を髣髴させる映画 . . . 本文を読む
題名がかなり意味深である。イラクだけが戦場でなく、帰還した故郷そのものが戦場であったという深刻な心の映画である。
4人の帰還兵の平和ボケしているアメリカでの気持ち上の不一致が日常生活さえ出来なくしているという事実。ベトナム戦争でもこういう映画もあったが、やはり人間は国家の命令のもとで人間を殺すということ、またはそういう環境化におかれた極限状況は何らかの形で人間の精神状況に悪い影響を与えるということ . . . 本文を読む