昨日の続きでヤンス。今見返した感じ、まあだいぶ冷静に言語化できるようになった、てとこだらう。にしても表現がくどいがw
ところで、この作品では肉親を愛してしまうこととその罪悪感が、怒りや熱い戦いが描かれる中で、昏い通奏低音をなしている。これは血みどろの戦いと想い人と融合した桃園(あるいはアタラクシア)の二項対立とも合わせて、この作品の特徴となっているように思える(そしてVow of Swordはそれを極めて的確に表現している、と)。
ちなみに作品の評価は置いておいて、俺は合意の上であるなら近親相姦なり何なり勝手にすればいいと思う。(本当かどうか知らんが)奇形児が生まれる確率高いとか警告する人間もいるだろうが、それなら子供産まなきゃいいだけの話だしね。となると今度は生産性の問題を指摘する人がいるかもしれないが、逆に言えば生産性の問題でしかないんじゃない?特定の宗教を信じているならともかく、そうでないならWhy not?な話だっちゃわいや。まあもし仮にそれにまつわる「規制緩和」が性的虐待を隠蔽する可能性がある、といった客観的データが存在しているならまた話は変わるがね。これは例えば、個人的に臓器移植を全然OKだと思うことと、それを社会制度として[どこまでかも含め]OKにすることはイコールではないのと根っこは同じだ(→同性愛に対する不快感の記事、あるいはもっと幅広く不快感とその一般化について)。結局機能主義的な問題でしかないと思うんよねえ。あ、ちなみに個人的な不快感を合理的な理由がある「かのように」思い込んだり、あるいは意識的にそれらしい理由をつけて一般性を糊塗するのはとてもありふれた反応なので、理論は重要なのは言うまでもないが、それだけ見てると足元すくわれまっせヽ(。∀゜)ノ
ああそういや、ずいぶん前にドラマCDを買ったままになっていたわ。今度聞かねばなるまいて。そしてもしそれがよければコンシューマー版も検討だなや。
[原文]
Nitro+が放つ第二作。かつて、今だかつてこれほど熱く、そしてかっこいいゲームが存在しただろうか?それまでも確かに、熱いゲームはあった。だがそれらは、どこか「熱苦しさ」をも同時に持っていたように思える。しかしこのゲームの場合、熱苦しさどころか、むしろ主人公が使う抜き身の刀そのままの鋭さ、美しさ、かっこよさを持ち合わせているのだ。過去に何度か内容には触れたが、まとめとして以下、簡単にレビューを書いておきたい。
(あらすじ)
間違った未来、誰かが選択を誤った世界。
犯罪結社・青雲幇の牛耳る上海に、一人の男が舞い戻る。
彼の名は孔濤羅。
仲間の裏切りにより最愛の妹までもが辱められ殺された。怒りに身も心も焼き尽くされた濤羅は、その手に復讐の剣を執る。
――仇は五人。
いずれ劣らぬ凶悪無比のサイボーグ武芸者たちを、一人また一人と血祭りに上げながら、孤高の剣鬼は魔都上海の夜闇を駆け抜ける。
(プレイ時間、ゲーム形式の必然性について)
まずはじめに言っておきたいが、本作には、選択肢はない。またプレイ時間も短い(5時間くらい)。だから、「これはゲームと呼べるのか?」「デジタルコミック」という意見・批判も出るだろう。だが私に言わせれば、中身のない、長いだけのゲームのほうこそ有害無益である。特に本作は、ビジュアルの作り、音楽、シナリオ、雰囲気の完成度が非常に高いのであり、のみならず、作中の戦闘シーンはゲーム以外の媒体で表現することは難しいと思われる。要するに、(ADV)ゲームとして発売するだけの必然性・有効性があると言えるだろう。ゆえに私は言いたい。「これほど完成度の高い、すばらしいゲームであるなら、むしろデジタルコミックで何の問題があるのか?」と。
(システム)
テキスト履歴を読む際、音が中断されるのは明らかにマイナス。曲がすばらしいゲームだけに、なおのことそう思う。あと、個性的なキャラばかりなので、ぜひ声が欲しかった。また、名シーンが多いので章選択システムもあればなおよかっただろう。
(音楽)
個々のレベル、全体の完成度、雰囲気作りという役割の全てにおいて神の領域。中でも特にすばらしいのは、“Vow of Sword”“Supersonic Showdown”“Acid Rain”「涙尽鈴音響」。特にVow of Swordは今まで聴いた曲の中で五指に入ると思う。
(総評)
冒頭で述べたように、とにかく熱い。血湧き肉踊る戦い、それを盛り上げる曲、そして主人公の姿…もしあなたが格闘系の話を好きなら、間違いなくキャラと雰囲気に惚れこむことだろう。そういう意味で、本作は「ますらおの、ますらおによる、ますらおのためのゲーム」と言えるだろう。
しかし同時に、物語の底流にあるのは女々しいまでのドロドロとした愛憎劇であることを見逃すわけにはいかない。そして、復讐に燃える主人公も、決して迷いなく敵を葬っていくわけではない。いやむしろ、迷い続けさえする。その理由は、復讐の中に妹の再生(?)という目的が含まれているからだ。これに関して、本作に出てくる「魂」は、それを集めるという目的のレベルに留まらず、「魂とは何か?どんなものなのか?」というテーマの次元で論じられているところも特筆すべきだろう(この点、攻殻機動隊と似ている部分がある)。
本作のすばらしいところは、ただならぬ熱さに加えて、こういった女々しい愛憎劇、迷い、「魂」とは何か?といった、逆をいくような要素もしっかりと作り込んでいるところにあると思う。そしてそういった二面性は、(絶世の美しさである)最後の桃園のシーンが、多数の屍の上に成り立っているという点において完成を見ていると言えるだろう(もちろん、そうすることによってはじめて、二人の融合が許され、しかもそれがほとんど永遠のものになったという点が一番重要なのだが)。
私の文章でどこまで魅力が伝わったかわからないが、熱いゲームが好きな人、格闘ものが好きな人、あるいはまた「月姫」が好きな人などには、ぜひこのゲームをプレイしてほしいと思う。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます