森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

オオワライタケ(フウセンタケ科)

2006年10月07日 | きのこ・菌類
 久しぶりに出会った。いつもは何本も出て株立ち状態になっているものを見るのだが今回はナラの根元に1本だけ出ていた。しっかりとしたキノコだった。これが食べれるものなら採取持ち帰えるところだが、毒キノコ扱いされる有名な「オオワライタケ」だからそうもいかない。
 実はある地方では処理をして食用にしているという話を聞いた。以前から保存食として利用するのだそうだ。どういう加工をするのかは知らないが、食用なら1株出会えば大収穫になるはずだから良い素材だろう。
 サイロシビンという有毒成分を含みこれが顔面神経に作用し「笑う」という表情に似た現象を示すのだそうだ。致命的な有毒成分でもなさそうだがあえて体験することなくここは話を聞くだけにしておく。

ムラサキシキブ(クマツヅラ科) の実

2006年10月07日 | 自然観察日記
 秋は実の季節でもある。ムラサキシキブの綺麗な紫の実も登場する。多くは庭に植えられているから、野山で見かけると驚かれる方もおられるが、れっきとした日本産の野生種である。林の中や林縁にみられる潅木である。
 春の花はあまり目立たないからやり過ごされるが、実は目を引く。優美な名前も手伝って日本の秋を愛で誇りを持てる景色を演出してくれる。