林床の草本も紅葉するものがあります。光沢のある銅葉はとても味わいがあります。これは日本海側の特徴的な種、オオイワカガミの紅葉です。実は紅葉といっても一律ではなく緑葉のままのものもあります。常緑種ですから冬場も枯れず半ば枯葉に埋もれながら来春のために栄養作りに精を出すころです。では「何のために紅葉する?」という疑問がわいてきますね。冬場の紫外線の強さから身を守るような意味合いがあるのかもしれません。
オオイワカガミが繁茂する脇にはアクシバの赤い実が一つ取り残されています。小さな小さな実でそれも地際に隠れるようについている実でした。野山の散策も時にはしゃがんで足元の自然を楽しむのも面白いもの。狭い範囲でもいろいろな世界が広がっています。こんな綺麗な実に出会えるのもそういう視点があってこそです。アクシバはツツジ科の低木ではありますが、およそツツジとは縁遠いような花を咲かせる種ですね。