森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ヤマノイモ ムカゴ

2011年11月15日 | 自然観察日記
「いもっこ」とも言われているヤマノイモのムカゴです。先日「秋の実りを味わおう」のイベントでいただきました。スーパーでも見かけるそうですがいいお値段がするのだそうですね。晩秋の山野に行けば簡単に手に入ります。ただし、「ひっつき虫」といわれるいろいろな草がありますからくれぐれも気をつけてください。
このムカゴは栄養繁殖の一手段であることはよく知られていますが、案外そういう目で見ていないのが不思議です。中には「種」とさえ思われているのが現実のようです。

ヤマノイモ 種子

2011年11月15日 | 自然観察日記
実といったほうがいいのでしょう。この翼のついたふくらみが種子です。こちらは有性生殖をして作った子供で、ムカゴとは全く意味が違います。確かにいずれも次世代の個体ですから「子供」なのですが、ムカゴは親と同じ遺伝情報を持つ個体、種子は異なる遺伝情報を持つ個体です。
植物は原則無性生殖と有性生殖の両方を行うことが出来ます。そして有性生殖する個体と無性生殖する個体は本来独立しているのですが、普通に見る種子植物は有性生殖をする個体が無性生殖をする個体の中に組み込まれている構造になっているので少々ややこしい話になってきます。それはそうと動物は有性生殖のみをするものがほとんどですから植物のような混乱は起きません。