森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

シナノキ

2012年08月16日 | 自然観察日記
道路わきにシナノキがありました。シナノキは長野の県の木だそうですが、このシナノキは街路樹ではなくて自然に生育しているようでした。新潟でも山地に時々自生を見ます。同属のオオバボダイジュが低山にも普通にあるのに対して、シナノキはやや高所にあるようですから、長野県などには多いのでしょう。
樹皮は強靱で、繊維を取っていろいろと生活に役立てています。シナ布やロープをつくるのに使われます。そんな事情もあって案外里の近くに栽培されていることがあって、自然のものかどうかは紛らわしいものです。

シナノキ 花

2012年08月16日 | 自然観察日記
ちょうど花の時期で沢山の花がついていました。花は5数性で両性花。花序は特徴ある形で、柄には数個から10個ほどの花をつけ、その基部にヘラ状の苞葉が付いています。これはシナノキ科特有の種子を遠くに飛ばす仕組みと考えられますが、落として実験してみるとほとんど真下に落ちますから、よほどの強風でないとその効果はないようですね。
さらに、シナノキの仲間の葉の形がユニークで、葉身の基部が歪んでいて左右対称形にはならないのです。