残雪期、里山を歩いているとクズに巻き付かれそのために樹勢が衰えさらに雪がのしかかったのでしょう、幹折れや枝折れをした雑木が目につきます。クズの繁茂がひどいと雑木林が消滅するのではないかと危惧されます。これはクズに取りつかれたコナラの樹で倒木も時間の問題でしょうね。ナラ枯れ病だけでないコナラの試練があります。
しかし、長い間継続している自然はバランスが働いて抑制するものが存在しています。ここではウサギですね。雪に覆われてしまった冬の食事情がウサギをしてクズの樹皮を食べるという行為に走らせているようです。タラノキとクズが雪国の冬の主要な食材の樹がします。これはウサギに食べられたクズの若い蔓。こうなるとこのクズの蔓は枯死し根元から再び芽を伸ばさなければなりません。ところどころすべての蔓が食いちぎられてまうこともあります。しかし、クズは日当たりさえよければ萌芽力は強いですから春には再び繁茂します。この頃になるとクズの樹皮よりおいしい?草が沢山出てきますからウサギの食害には会いません。
雪の上はウサギにとっても移動しやすいものです。そして、食料となるクズの蔓は雪の上に伸びだしていますからとても見つけやすいものですね。クズが沢山あるところには多くのウサギがいたのかたくさんのフンが残されています。ウサギの住処が保障さている環境ならクズの繁茂も抑制的に働くと考えられますからクズが大暴れして雑木林を枯損させることはないのかもしれません。増えすぎたウサギはまた別の問題を引き起こすでしょうが、雑木林とクズの関係ではウサギの存在は重要です。生態系というのは面白いですね。