先日、今年最初のカタクリを報告した時の続編になります。カタクリの花があるということはその他の越後を代表する早春の花もたくさん見られるということです。とはいってもまだまだ季節は早く、自生する花々の個体群密度は決して多くはないようなので少々落胆している部分はあります。特にオオミスミソウですね。
西山丘陵から弥彦山塊にはかつて足の踏み場もないほどに自生していたといわれるオオミスミソウ、もうとっくに花の楽園になっていてもいい季節ですが花の数は多くないような気がします。私が知っていた秘密の場所もいつしか個体数が減って白い花の個体しか残っていない状態になりました。青や赤の花が見られる場所はまだいい方なのかもしれません。
これはオオミスミソウの自生する斜面に生えていたエノキの株立ちの様子です。こういう株が点在していますから、ここはかつて人の手が入り伐採したことがわかります。つまり、オオミスミソウは完全な自然林でなく二次林によく適応している種であるのです。岩石が多く表土は発達していない場所ですから入り込む植物はそう多くはないので競争に耐えてきたのではないでしょうか。補うつもりで園芸化した個体を植栽しないでも盗掘をしないで、時々高木など被圧植物を伐採すればオオミスミソウは維持できるのではないでしょうか。