新潟県の中越地域はホウノキが多い地域のように思います。丘陵公園の里山フィールドミュージアム内では場所によっては被度が60%以上もあるのではと思えます。伐採等里山的管理が全くできていませんから巨木が目につきます。そのホウノキが花の季節を迎えています。マグノリアの仲間では花期が遅い種。近寄って花の匂いをかぐといい香りのする花ですが、あまりにも大きな木ばかりで遠目に花が咲いていることを確認するくらいです。前にも書いたでしょうか。花の咲く頃のホウノキを見ると、Kさんが話をしていた「ほうのきまんま」を思い出します。主に、十日町などの信濃川の上流域に暮らす人のこの時期の楽しみ。棚田の田植えをしてそれが終わったころの区切りとしての賄いなのだそうです。ホウノキの葉に暖かいご飯ときな粉をまぶし包みます。ホウノキの香りがご飯に染みついてなかなか味わいのあるものになるのです。それを、田植えが終わった田んぼの周りで食べるのだといいます。雪国の大切な農村文化、絶えることがないように祈るばかりです。