ひときわ目立つ「ポルシェ」を発見。車のエンブレムには、中央の「跳ね馬」はドイツのシュトウットガルト市の紋章で、日本語では「馬の園」の意味。とげとげのデザインは本社がある州の紋章の「鹿の角」。黒と赤のカラーは知性を表し、地の金色は大地の豊穣を表現するという。
ポルシェは、第二次世界大戦で戦車などの軍用車生産に関与したことで、戦後、戦犯として逮捕収監されたが、その後再建。一時、フォルクスワーゲンを買収したこともあるが、現在は逆転しワーゲンの傘下に下っている。スポーツカーの勇者は傷だらけの波乱万丈の歴史だった。だから、かっこいいのかもしれない。
イギリスの「ジャガー」も負けてはいない。ボンネットにはジャガーの正面の顔、後ろには有名な跳びかかったジャガーの勇姿を配置。オートバイのサイドカー製造から創業した同社は、王室御用達の公用車を製造するまでに成長。ルマン24時間レースでもたびたび優勝するなど、機能・美しさ・速さと燦然と高級車として君臨。
ジャガーの立体的なエンブレムが「歩行者への衝突安全性」が懸念されてから、その立体マスコットがなかなか見られなくなってしまう。さらには、なんども経営危機に陥り、ついにはフォードに買収され、今はインドのタタモーターズの傘下に入るという自動車業界の過酷な競争原理にさらされている。