通院の合間に久しぶりに上野公園に行く。いま放映中の大河ドラマの影響でカメラ攻勢に西郷隆盛像は驚いているようだ。明治の元勲の殆どは正装のいかめしい銅像が多いが、西郷どんは普段着だ。その理由は西南戦争で「逆徒」だったことで武人としての牙を抜く政治的意図が背後にあったらしい。しかし、普段着の方が庶民には親しみがある。作者は、光太郎の父・彫刻家「高村光雲」。
公園に入って長蛇の行列に目を見張る。先頭がわからないくらいだ。そういえば、これはパンダ狂想曲効果だけど、子どもは待つだけでうんざり。一つの動物だけ突出するのは異常だ、マスコミは責任を取れ。
園内を歩いていると木をレンガ状に敷設した道があった。看板によると、多摩産木材を活用しているとのことで納得。腐ることも想定して間伐材の消費活用を考慮しているが、破損個所をレンガやコンクリートで補修しているのはつらいところ。
安藤広重の浮世絵「名所江戸百景」を歩道の行燈に仕立てていた。170基ほどを5m間隔で配置しているので、夜は幻想的な風景が浮かびあがるに違いない。そのうえ、ゴミが一掃されているのが目立った。昔はゴミがひどかった。地元や行政の心意気の高さに敬服する。
加えて、広重の浮世絵に上野の「月の松」という松を月に見立てた名所絵がある。それを再現したのが上野清水寺の「月の松」だ。寺から「月の松」の輪の向こうに江戸の粋、ここでは不忍池の弁天堂が見えるらしい、が覗けるというわけだ。さすが見どころ満載の上野公園だ。外国人も日本人のように普通に歩いている。