山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

抜根した茶樹を刻んで

2021-07-21 21:43:59 | 農作業・野菜

 茶畑の茶樹を抜根した枯れ木の山はなかなか減らない。しかし、ブルーベリーの周りや野菜の周りに配置すると、害獣の被害が少なくなったのがわかった。その茶樹もすっかりカラカラに乾いてきた。それを「ガーデンシュレッダー」にかけて細かい木片にしていく。メーカーには、山善・リョウビ・キンボシ・ミナトワークス・インターファームプロダクツなどがあるが、オイラは強力で安全性のある「リョウビ」のシュレッダーを購入している。

                 

 すると、枯木の山がだんだん少なくなっていくのがわかる。この機械はきわめて優れものだ。事業用だと数百万もするのがあるが家庭用だと数万円で手に入る。庭木の剪定にはもってこいの機器となる。投入口に樹を入れるとあれよという間に小さく刻まれていく。これをゴミ出しするなんてもってのほかだ。これで肥料にしてもいいが、抜根跡の土壌を養生するマルチにうってつけだ。再利用することにもなる。

                   

 いっぱいあった木片チップを抜根跡に撒いていくが、すぐになくなってしまう。これは気長に作っていくしかないのがわかった。一気にやれるはずもない。物事は思い通りには進まないのだ。さいわい、これを撒いた土壌からは雑草はあまり出てこない。粘り強く続けていけ、ということだ。   

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一途な「クズ」の向かった先は

2021-07-20 23:18:32 | 路上観察

 週2回、和宮様を病院へ通院するためのアッシー役を仰せつかっている。その空き時間にぶらりとその周辺を散策することがある。「ふれあい公園」隣の交差点に小さな公園があった。地面には敷石が張り巡らされてはいたが、その隙間からは雑草がいのちの讃歌を必死に奏でている。そこに7~8mくらいの一本の「クズ」が一直線に公園を縦断していた。無謀ともいえるクズの航海の先は未来があるのだろうか。

              

 一途なクズの先には銅像があった。平成6年(1994年)、宝塚歌劇団と春野町との交流を記念して建立された「ふれあいの像」だった。土台にはスミレの花が描かれていた。その上には二人のタカラジェンヌがポーズをとっている。この像の近くに宝塚の演出家・白井鐵造の生家がある。また、その周辺は「スミレ街道」として整備もされている。

 白井氏が訳詞した「スミレの花が咲くころ」の原題は、「再び白いライラックが咲いたら」という、1929年に流行ったウイーンの歌だった。春野町で育った白井氏はスミレの花の美しさへの思慕が深かったことや日本人になじみやすいということで、ライラック(仏語ではリラ)をスミレに替えたということだ。

 銅像は、「ベルサイユのバラ」のオスカルとマリーアントワネットと見た。熱烈な宝塚ファンであろうこの一本の「クズ」は、さまざまな苦難の中でも華麗な舞台のさまを心の糧として、この灼熱地獄の世界を生き抜こうとしているのかもしれない。

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『森の生活』は魂のゆりかご

2021-07-19 21:16:32 | 読書

 わが人生の師匠でもある作家・高尾五郎氏より何冊かの本が届いた。そのうちの、アメリカの古典と言われる、H.D.ソローの『森の生活/上下』(飯田実訳、岩波文庫、1995.9)をさっそく読み始める。以前から読んでみたいと思っていた本だった。自給自足をしながら湖と森の自然のなかで描いた思索のエッセイだ。五郎氏からの「これを読んで自らを内省せよ」という暗黙の宿題と受け止めた。

       

 1854年、著書はアメリカで刊行された。1830年代にはインディアン強制移住法とか奴隷解放運動が起こり、40年代後半にはゴールドラッシュが始まる。森で生活しているところどころにはそうした背景が反映されている。ソローは、逃亡奴隷を支援したり、市民運動のさきがけをして捕まったり、そういうマイノリティーや労働者には共感のまなざしを向けている。それは、この森の中の動植物や湖のたたずまいを観察するというソローの詩人・科学者・哲学者・文学者としての造詣の深さも表現されている。

    

 神話や聖書や詩などの引用も多く、読解には目をつぶる箇所も多く難航した読書だったが、要するに幸せな人生とはどういう状態のことをいうのか、といったことにつきる。南北戦争まじかで物故してしまうが、その愚かさをすでに感知していた。ソローの精神が流布していたならば、世界の憲兵たるアメリカ帝国主義は存在しなかったに違いない。

                  

 本書には、中国の孔子・曾子・孟子などの思想家やインド古典なども引用され、東洋思想のもつ人間と自然との共生にふれた内容が少なくない。また、同時代のホイットマン・エマーソンといった文学者との交流も見逃せない。ソローの提起はアメリカ版「方丈記・徒然草」の印象を受けたが、むしろ、有島武郎らの白樺派に近い理想主義を感じた。

                 

 冗漫ともとれるエッセイでとらえどころに困ったときもあったが、下巻になるにつれてますます筆致が滑らかになっていく。ソローが証明したシンプルライフは、現代日本、いや世界にも通じる普遍的な提起だった。物事の本質を見抜いた人間は、周りの人々や世の風評に左右されず、ブレないことに心服する。

                 

 日本がペリー提督に開国を要求されていたころに書かれた『森の生活』がなぜいまだに読まれているのか、その新しさが古典という真価なのだろう。ソローの言葉の断片を引用してみる。

○ 「夜明け前に、心のわずらいを捨てて起き、冒険を求めよ。…生計を立てることを商売とせず、むしろそれを遊びとせよ。大地を楽しめ、だが所有はするな」

○ 「私が森の生活にひかれた理由のひとつは、春の訪れを見るゆとりと機会がもてそうだということだった。」

               

 ○ 「生活がいくらみじめであろうと、そこから顔をそむけたりはせず、ありのままに生きることだ。…余分な富をもてば、余分なものが手にはいるだけである。魂の必需品をあがなうのに金はいらない。」

 ○ 「なぜわれわれはこうもせわしなく、人生をむだにしながら生きなくてはならないのであろうか? …実在が架空とのものとされる一方で、虚偽と妄想が確固たる真理としてもてはやされている。」

 ○ 「私の家には三つの椅子があった。ひとつは孤独のため、もうひとつは友情のため、三つめは交際のためである。」

 ○ 「もしすべての人間が、当時の私とおなじように簡素な生活を送るようになれば、盗みや強盗はなくなると、私は確信している。こうした事件は、必要以上に物をもっている人間がいる一方、必要な物さえもっていない人間がいる社会でのみ起こるのである。」

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海から陸上にあがった4億年前の昆虫を発見 ??

2021-07-18 22:54:26 | 生き物

 カゲロウの仲間だと思っていた体長約2cmくらいの虫がやってきた。ときどきやって来てはとことこと家の中を徘徊することがある。カゲロウの幼虫だろうと思っていたら、幼虫は川の中のはず、それが陸に動き回るはずはあるのだろうか、とチコちゃんもどきの疑問が湧いてきた。成虫なら翅があるはずだ。

        (画像はweb「自然観察大学ブログ」から)

   小さくて動き回るのでカメラも捉えきれなかったが、昆虫というより海老のような甲殻類に見える。愛用の小学生向きの図鑑で調べたところ、本や衣類を食害するシミ(紙魚)にも似ている。北側にある書架から来たのかもしれないと思ったが、その図鑑にはもう一つ、「イシノミ」(イシノミ科)の図があった。こちらのほうがより近い。

       

 「イシノミ」は、海から陸へあがって間もない4億年前の原始的な昆虫と言われている。翅がないのが大きな特徴だ。つまり、翅を獲得する前の原始的な体形をしているわけだ。3本の尾を持ち、中央の長い尾は「尾糸」、脇の2本は「尾毛」という。脅すと腹部を叩きつけてジャンプするところから「ノミ」の汚名を着せられたが、まだジャンプは確認していない。

 

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キュウリにブルーベリーにいよよ

2021-07-17 21:52:29 | 野菜・果樹

 梅雨も明けていよいよ、夏野菜の出番だ。インゲンは好調で安定的な収穫を保持している。このところ急に、遅れていたキュウリが実ってきた。ここ数年間、キュウリの失敗はほとんどなくなってきた。完全無農薬を保持してきただけにホッとする。ナス科は病気に弱い。トマトやナスは毎年病気が出てきて収穫の自信がない。

              

 ピーマン・シシトウ・甘長トウガラシは大収穫のときもあったが、今年はそこそこというところ。昨年もそうだったが土壌づくりが手抜きだった結果だ。言い訳をすれば、イノシシ対策に追われて間に合わなかったせいにしておこう。

              

 数日前までにはブルーベリーが紫色になり、黒く熟するのは間もなくだ。つまみ食いをしながら味の酸味を確認する。昨日まではまだまだとの判断だったが、きょうはグイと黒い実が出来上がってきた。収穫してみて、採るのが早かったのもわかる。焦ってはいけない。多くがラビットアイ系の実だ。洗ってから、実の様子によって冷凍保存にする。

  

 閑話休題、5月に農水省が画期的な「みどりの食料システム戦略」を決定した。つまり、2050年までに有機農業の栽培面積を100万ha、耕地面積の25%(現状は0.5%)、農薬5割削減、化学肥料3割減、にするという。今まで効率が悪いとさんざん異端視していた有機農業を見直したのだ。というのも、EUの目標値にいつも遅れをとっていた。世界的な流れにやっと便乗した格好でもある。目先の利益ばかり追って将来の農業と自然との共生を貫く哲学が欠落していたのだ。問題は総論賛成、各論保留で改革が進まないことだ。

 脱炭素・自然エネルギーに方向を変えたのもそうした世界の流れに乗り遅れまいとしたものだ。財界・政界をはじめ今まであれほど抵抗してきたのに今更の感がぬぐえない。こうした動きをマスコミはほとんど報道していない。その感覚がジャーナリズムの劣化をどうしても感じてしまう。オイラもこの「戦略」を知ったのもニュースからではなかった。

 

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イノシシの土石流 !?

2021-07-16 22:03:51 | できごと・事件

  玄関から庭に向かって歩いていたら、な・なんと裏山から小さな土石流を発見。3m上の直近の斜面から土砂が崩れていた。以前、ここでイノシシが穴を掘ったせいで大きな石垣の石が転がっていたところだ。今回はさすがに石垣は落下していなかったが、拳大の石が歩道まで転がっていた。イノシシによる二度目の土石流だった。業者のあくどい盛土による土石流でないのがさいわいだけど。

        

 周りの枝を伐りはらって斜面の現場に直行すると、三つの穴が三段にわたって掘られていた。石や木の根っこが縦横に入り組んでいるのに、なんと40~50cmくらいの深さはあったろうか。とても人間では作業はできない。ツルハシを振り上げて穴掘りすることは樹木が密集しているので不可能だ。以前やってきたイノシシと同じ犯人なのだろうか。

                      

 さっそく、ナフタリンもどきの防虫剤を木に吊るして次の襲来に備える。具体的な対策をすると、イノシシは警戒してしばらくはおとなしくなるからだ。案の定、きょうは裏山にも畑にもイノシシの形跡が全くない。あるのは、シカが毎日のようにやってきている形跡があることだ。

 こちらも柵づくりをやらないと野菜や庭木が育たない。イノシシほどやることが乱暴ではないが、じわじわと被害が大きくなっていく。結果的には、イノシシと変わらない被害となっていることに気づく。やることがいっぱいあるのに、余計な仕事をくれたもんだー。すぐ隣の集落には柵も作らずのびのび野菜を作っているというのに。ブツブツ……。

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寝てる隣でイノシシが

2021-07-15 19:49:27 | できごと・事件

 朝起きてみると、和宮様が「大変じゃあー。やられたのじゃー」とこわごわと窓の外を挿す。廊下の窓から指先のほうを見ると、緑の雑草群落のなかにくっきりと泥の空間があった。かつても同じ場所をやられているので同じ犯人なのだろうか。裏山にイノシシが降臨なさったのだ。

   

 寝室と現場とは4~5mくらいしか離れていない。昨夜か明け方か、まったく掘り上げる音を確認していない。現場に行ってみると、掘られた場所は2か所だった。以前は危うく石垣を崩される寸前だったことがある。ここ数日、出るはずのイノシシの痕跡がないので安心していたのだった。掘られた形状は「ぬた場」のような大きさだった。

         

 すぐに対策にとりかかる。石垣のある近くにはとりあえず砕石をまき、石垣崩壊の補強もどきをする。そこへ、U字型のペグに匂いのキツイ衣類防虫剤を台所排水口用ネットでくるんで埋め込む。この防虫剤は畑の柵でも取り付けているので、イノシシが侵入しないことがわかっていた。

       

 このペグを2mくらいの間隔で石垣近くに打っておく。これはなんとも1時間前に思いついたものだ。もちろんその前に、草刈りもしたが。裏山の上の方には狼藉をしないでわざわざ人間の近くで暴れるとは、これは挑発としか考えられない。さあ、この対策でイノシシはこれをどう判断して次の戦略をとるのか、攻防はすでに始まっている。

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晶子が見たウツボグサの哀愁

2021-07-14 22:06:54 | ポエム

  先月でのこと、和宮様が国道脇の空き地に咲いていた「ウツボグサ」を発見した。むかしは道端で普通に咲いていたという。オイラは山歩きしたとき出会った「ウツボグサ」はその紫のパワーに感嘆したものだった。それは「ミヤマウツボグサ」らしかったが。西洋では「セルフヒール」と呼んで自然治癒の薬草・ハーブとして親しまれていたという。

 与謝野晶子は「なつかしき 春の形見か うつぼ草 夏の花かや 紫にして」と詠んでいる。初夏に咲いたウツボグサが秋を待たないで夏のうちに枯れたようになるので、別名「夏枯草(カゴソウ)」の名がある。この花穂を乾燥させたものが生薬として、口内炎や利尿に効くと愛用されてきた。そんな身近にあったウツボグサが珍しくなってきたことを考えると、晶子の「春の形見か」という哀愁・詠嘆がダブってしまった。

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ワークマンのウエアだった

2021-07-13 22:32:42 | 特産品・モノ

 雷雨の予報があった午前中、作業服が突然郵便受けに届いた。娘からだった。「ワークマン」が作業ワークだけでなくアウトドアや日常生活にも使えるアクティブなウエアを開発したものだった。ワークマンが肉体作業をするおじさんの店から、女性や若者も来れるような改革をした象徴でもあった。

               

 そのウエアは、防虫加工をした「フィールドコア」ブランドとしての「カーゴパンツ」だった。「カーゴ」とは貨物船の意味があり、そこで使う道具を太ももの大きなポケットに入るように工夫された作業パンツだ。それが米軍のパラシュート部隊に採用されミリタリーデザインとしても注目された。

 さっそく使ってみると、きわめて軽く作業しやすいフィット感・伸縮性がある。ポケットだけでなく体形に合うような工夫が感じられる。製造はミャンマーだった、エッ。

                   

 さらに、「アームカバー」も同梱されていた。こちらも洗濯しても効能がおちない防虫加工ばっちりのものだった。販売は「インセクトシールド」社(製造は中国)。インセクトは昆虫、シールドは盾、防虫に特化した会社だ。米軍陸軍・海兵隊の制服は防虫加工が必須となっており、同社がかかわってているという。

 こちらも両手につけてみると、伸縮性もありサイズも長かったせいか虫には刺されなかった。現在使っているアームカバーの殆んどは袖上側のゴムがすぐ緩くなり、輪ゴムで止めている状態だった。また市販のアームカバーは短いので露出した肌を虫に刺されることが多かった。そのため、防虫スプレーを毎回のようにかけて使用していた。

 農的生活は虫との闘いであり共存であることをよくご存じのわが娘に拍手喝采。夕方からは雷鳴が鳴り、稲妻が横に走るなど脅かされたが、さいわい雨量は思ったほどではなかった。

 

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ヤブカンゾウで辛いことを忘れる!?

2021-07-12 22:48:58 | 植物

 裏山の「ヤブカンゾウ」が咲き出した。花色が鮮やかな緋色なのが魅力的だ。道路傍によく見かけるが踏まれたりしているせいか、群生しているわりには大切にされていない。蕊(シベ)の一部または全部が花弁化するため八重咲となる。一重咲きの「ノカンゾウ」は道で出会ったことがない。

      

 トイレへ行く時の廊下から見えるヤブカンゾウの花だ。雑草だらけの裏山にくっきりと緋色が映える。葉がススキやスゲの葉に似ているので、「萱草」の字が使用されている。中国の別名では「忘憂草」という。すなわち、この花をつけると悲しみや苦しみを忘れるという。そのため、万葉集などの歌にも使われているほどだ。

               

 漢方でいう「カンゾウ」は、マメ科の「甘草」で別物だがよく混同される。以前、ヤブカンゾウの若葉を収穫して味噌汁に入れて食べたことがある。ほんのりした甘みがあるのが忘れられない。収穫時期が遅いと硬くなるのでそのタイミングが微妙なのだ。蕾も食用になるというが、申し訳なくてまだ食べていない。大群落に成ったら是非食べてみたいものだ。いまは、道路わきでさりげなく咲いているヤブカンゾウを見つけるのが楽しみとなっている。

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