『ノルウェイの森』のテレビスポットで脳科学者の茂木健一郎が「『ノルウェイの森』
はものすごくリアルに愛を描いていくことによって、我々を癒してくれる、そういう作品
であり、映画ではないかと思うんですね。」とコメントしていた。本当にこの作品を
見て茂木がコメントしているのだとするならば、頓珍漢も甚だしいだろう。
この作品が描くような“リアルな愛”が観客を癒すようなことは絶対にありえない。
実際に松山ケンイチが演じている主人公のワタナベは2人の女性に振り回され
続けて最後には自分がどこにいるのか分からなくなってしまっている。どうして
こんな作品で“癒し”などという言葉が使われるのか根拠が分らない。万が一“癒し”
という言葉を使えば女性が直ぐに反応して見に来るだろうという安易な考えで
言ったのであるならば、茂木は最早納税に関してのみならず、物事全てに関して
脳機能を停止させてしまっていると言わざるを得ない。