SPACE BATTLESHIP ヤマト
2010年/日本
倒錯する‘方程式’
総合 50点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』(西崎義展監督)の‘惨状’を見てしまったために、この実写版には多大な期待を課することは止めようと誓ったのは確か去年の今頃だったと思う。そしてその誓いに違わぬ出来栄えであったことは残念ではあるのだが、VFXによる特撮シーンはそれなりに楽しく見ることが出来たという皮肉を味わうことになった。
まず基本的に、登場する‘人’自体が少ないように感じる。地球防衛軍指令長官である藤堂平九郎の記者会見における記者や関係者の人数の少なさは、全く地球が存亡の危機であるという危機感を観客に与えることがないし、西暦2199年に記者たちがヴォイスレコーダーを使っているという‘レトロ感覚’が私には理解できなかった。クライマックスでイスカンダル星に乗り込んだ地球防衛軍の人員も敵の数に比べて極端に少ないために、バトルが盛り上がらない。
一応確認してみたのであるが、ヤマトが地球に戻ってくるまでの期間は原作通りに1年かかっている設定のようだ。しかしヤマトの乗組員たちにワープに対する緊張感が無いためなのか、1年かかっているような感覚が得られない。昨今流行っている『SP』や『GANTZ』のように‘行き’と‘帰り’の2部作にすれば良かったとも思うのであるが、それだけ長時間、撮影のために拘束できなかったのであるならば木村拓哉の起用が成功だとは言えない。
愕然としたシーンは本当のラストシーンに現れた。緑を取り戻した地球に佇む森雪のそばに子供がいたのであるが、ストーリーの流れを忠実に辿るとするならばその子供は森雪と古代進の間に出来た子供ということになる。二人の間に子供が出来るチャンスは私の知る限り森雪が艦長代理の古代の命令でヤマトの底にガミラスによって取り付けられた時限爆弾を切り離すためにヤマトの乗組員数名の命を犠牲にして銃撃した後に、古代が森を慰める場面においてしかない。あの場面でそれまで敵対するような感じで、過去に付き合っていたこともない古代と森がいきなりキスをしたことにも違和感があったのであるが、まさかその後に‘子作り’までしていたとなると2人の神経を疑ってしまうが、それくらいの図々しさでもなければヤマトの艦長は務まらないという‘草食系男子’たちを啓蒙するメッセージなのであろうか?
しかし結局は、『ゴースト もういちど抱きしめたい』(大谷太郎監督 2010年)の酷さは既に記しておいたが、この『SPACE BATTLESHIP ヤマト』も共に佐藤嗣麻子が脚本家として関わっているということが一番の問題であるような気がする。佐藤が男女の繊細な恋愛を描けないということを彼女の夫でありこの作品の監督でもある山崎貴は十分に分かっているはずなのであるが、何故他の脚本家を参加させずに佐藤一人に任せてしまったのか不思議でならない。
黒木メイサの‘コスチュームプレイ’という観点で見るならば、押井守監督作品の『ASSAULT GIRLS アサルトガールズ』(2009年)の方が低予算ながら‘尖鋭’だと思う。
最後に以下のような方程式が成り立つことを言い添えておきたい。
もっぷん<木村拓哉 = 実写版<アニメーション
海老蔵 茂木氏に直電「死ぬかと思った」(スポーツニッポン) - goo ニュース
「海老蔵も殴った」現場に3人以上の血痕(日刊スポーツ) - goo ニュース
市川海老蔵と茂木健一郎に交流があることを知って、やはり類は友を呼ぶという
ことがよく分かる。海老蔵が多くの知り合いの著名人の中からわざわざ茂木に直接
電話をかけているということは、当然茂木がそのことを公にすることを計算している
はずだから、海老蔵は脳科学者の“御墨付”をもらうつもりだったのだろうが、勿論
私は納税に関して完全に自分の脳を機能停止させてぼろ儲けしていた脳科学者の
言うことなど信用しない。しかし現場に3人以上の血痕が残っていたらしいが、
海老蔵以外の他の2人が殴り合う可能性は全くないのだから、これがどのような
意味になるのかは自ずと明らかになる。