MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『妖婆 死棺の呪い』 80点

2012-05-17 22:00:46 | goo映画レビュー

妖婆 死棺の呪い

1967年/ソ連

ネタバレ

ニコライ・ゴーゴリの「ヴィイ」の謎

総合★★★★☆ 80

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 ニコライ・ゴーゴリが1835年に発表した短編「ヴィイ」を原作とした本作の解釈はなかなか難しい。中世ロシアのキエフのブラッキー修道院の寄宿生である主人公のホマー・ブルートは、正確には神学生ではなく哲学級生であることからして難解さをはらんでいる。クリスマス休暇に友人2人と共に故郷へと向かったのであるが、たどり着く前に日が暮れてしまい、ようやく見つけた人家に泊めてもらうことになった。それぞればらばらの部屋をあてがわれ、ホマーは家畜の小屋に通されたのであるが、そこの主人である老婆に襲われてしまい、ホマーは老婆に背中に乗られて一緒に空へ舞い上がり、ようやく降りたところでホマーは老婆を叩きのめしたのであるが、気がつくと老婆は美しい娘に変わっていた。その後ホマーは、ある地主の指名で、重傷を負って家に帰ってきた娘の遺言により、古い教会で3晩祈祷をあげるように命ぜられる。何故自分が指名されたのか不思議に思いながらも教会に行くと、棺には自分が叩きのめした娘が横たわっていた。ここから過酷な3晩を一人教会内で、祈祷書がある台の周りにチョークで魔法の円を描き、娘の視界をさえぎりながら祈祷書を一番鶏が鳴くまで読み続ける。
 ここには老いの問題が隠されていると思う。青年のホマーに夜這いをかける老婆にとっては女であることにかわりはないのであるが、ホマーには大きな問題である。怨みをはらすために老婆は若い娘として死ぬことで、周囲の同情をかうことに成功する。ホマーは若者の奏でる音楽に合わせて踊り続けることで若さをアピールするものの、2晩過ぎた後には白髪になっている。最後の晩についにヴィイが現れる。ヴィイはまぶたが下がり過ぎているのであるが、そのようなまぶたは年老い過ぎている象徴と見做せるだろう。まぶたが下がり過ぎていて目が見えないために、‘若い’怪物たちに手伝ってもらってまぶたを上げてもらい、ホマーの居場所を突き止める。この時、ヴィイの老いは知恵として有益に働くことになるだろう。ついにホマーの居場所をつきとめた老婆をはじめとする怪物たちはホマーを襲い、復讐を果たしたまではよかったのであるが、彼らの老いは朝の一番鶏の鳴き声を聞き逃してしまい、結果的に彼らも死んでしまうのである。この若さから老いへ至るベクトルと必ずしも呼応しない性から知性への齟齬から生まれる悲喜劇が、当時ならではの独特の特撮と娘を演じたナターリア・ワルレイの特異な身体能力が加わって本作を魅力的なものにしていると思う。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新座市民になる事は恥?

2012-05-17 00:05:27 | Weblog

風呂使わず・洗顔せぬ…当選無効の女性タレント(読売新聞) - goo ニュース

 2月に埼玉県新座市議に当選したものの、当選を無効とした市選挙管理委員会の決定に

ついて、県選管に審査を申し立てた立川明日香の言い訳はとても奇妙なものだった。

昨年9月から2月まで水道がほぼ不使用だったことに関して、「トイレは使ったと思うが、

台所や風呂は使っていない。コンビニのトイレを借りることもあった。朝の洗顔はする暇が

なかった」などと話しているが、台所も風呂も使っておらず、わざわざ銭湯に行ったり、

コンビニのトイレを借りたりしてまで新座市に居住している“痕跡”を隠そうとするのである

ならば、それほど無理してまで新座市議になる必要はないのである。夫とは離婚調停

までしているというのだから、“市政”を担う前に自分自身の“家政”を清算するべきであろう。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする