原題:『ガールズ・ステップ』
監督:川村泰祐
脚本:江頭美智留
撮影:北山善弘
出演:石井杏奈/小芝風花/小野花梨/秋月三佳/上原実矩/塚本高史/大東駿介/山本裕典
2015年/日本
ストーリー的に地味なキャスティングで苦戦を強いられる佳作について
「スクールカースト」をテーマにした本作は、だからといって決して暗い話ではなく、例えば、必修のダンスのテストを受けなかった5人の主人公たちが、町内で催されたフェスティバルで踊ることを条件に単位をもらえることになり、しかしあくまでもダンスの試験ということでジャージー姿で踊らされたり、そのことをきっかけにダンス部を結成した5人が引き続きケニー長尾(塚本高史が好演している)にコーチをお願いするために顧問料としてかき集めた小銭をケニーがいちいち数えているところなど細かいギャグも上手いと思う。
ストーリーそのものも硬軟織り交ぜて上手くできていると思うが、本作は深刻な問題を抱えている。主人公たちは「ジミーズ」と呼ばれている通りクラスで地味なメンバーで構成されているために、キャスティングも必然的にどちらかと言えば地味な女優が選ばれることになり、物語的には相応しいが集客力に関してはどうしても弱くなってしまうからである。しかしこれは本当にもったいない。『ヒロイン失格』(英勉監督 2015年)ほどヒットはしなくても多くのJKに観られるべき作品だと思う。