原題:『青空エール』 英題:『YELL FOR THE BLUE SKY』
監督:三木孝浩
脚本:持地佑季子
撮影:清久素延
出演:土屋太鳳/竹内涼真/葉山奨之/堀井新太/小島藤子/松井愛莉/志田未来/上野樹里
2016年/日本
青春の思い出を奪う「ルール」について
相変わらず三木孝浩監督の青春映画に対する演出の手堅さは特筆に値すると思うが、長編の原作を観客を厭きさせることなく2時間強にまとめた持地佑季子の脚本も無駄なシーンが一切無く見事だと思う。
印象的なシーンを記しておきたい。吹奏楽部の朝練で寝坊したために走って学校に向かっている小野つばさの背後から、野球部の朝練に参加するために自転車に乗って来た山田大介が追い付く。次のシーンでつばさが大介の自転車に乗っており、大介は走って学校に向かっているのである。これはつまり刑事もので例え犯人を追いかけていても自動車に乗るときは公道においては刑事でさえ必ずシートベルトをしなければならないという「ルール」と同様で、もはやカップルで自転車に相乗りするということは映画のシーンとしては無くなるのかもしれない。