東京都美術館で催されているボイマンス美術館所蔵ブリューゲル「バベルの塔」展に依るならば、
15世紀から16世紀のネーデルラントの彫刻家たちは写実性や感情表現の面で同時代の多くの
画家と比較しても引けを取らなかったらしいのだが、そのような彫刻作品が余り注目されないのは、
多くの彫刻が作者不詳であることが原因のようだ。それでも何らかの評価を下そうとする場合は、
例えば、その作風から「枝葉の刺繍の画家(Master of the Embroidered Foliage)」のように
作者に名前を与えるのである。
「Virgin and Child in a Landscape」1490年頃