(「戴冠式のローブを着たエカテリーナ2世の肖像
(Portrait of Catherine Ⅱ in Her Coronation Robes)」
ウィギリウス・エリクセン(Vigilius Eriksen 1760s)
現在、森アーツセンターギャラリーでは「大エルミタージュ美術館展」が催されているのだが、
思ったほど感銘を受けなかった原因は、ルネサンスからバロック期のイタリア、オランダ、
フランドル、スペイン、フランス、ドイツ、イギリスの大まかな概観を提示しただけで、
深みに欠けるからであろうし、エルミタージュ美術館ならばもっと良い作品があるのではないかと
勘繰ってしまうからであるが、やはりルカス・クラーナハ(Lucas Cranach)の1530年頃の
作品である「林檎の木の下の聖母子(The Virgin and Child beneath an Apple Tree)」は
見応えがある。
ところでフランシスコ・デ・スルバラン(Francisco de Zurbarán)の1660年頃の作品
「聖母マリアの少女時代(The Childhood of the Virgin)」のキャプションには画家晩年の
作品で画家自身のまだ幼い娘がモデルとされていると書かれており、スルバランは若くして
亡くなったのかと思って調べてみたら、1598年生まれのスルバランは1664年に
亡くなっており、ということは娘は画家が50代で授かった子なのであるが、これが当時は
珍しいことなのかどうかはよく分からない。