MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『メッセージ』

2017-05-23 00:31:19 | goo映画レビュー

原題:『Arrival』
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本:エリック・ハイセラー
撮影:ブラッドフォード・ヤング
出演:エイミー・アダムス/ジェレミー・レナー/フォレスト・ウィテカー/マイケル・スタールバーグ
2016年/アメリカ

「達観」することの覚悟について

 まるで『未知との遭遇』(スティーヴン・スピルバーグ監督 1977年)の大衆性と『惑星ソラリス』(アンドレイ・タルコフスキー監督 1972年)の思想性を合わせ持ったような作品である。
 本作はオチを知らないで観賞することを勧めるのだが、ラストにおいて数学者のイアン・ドネリーが主人公で言語学者のルイーズ・バンクスに愛の告白する時に、もう一つのイアンの願いに対して「未来」のルイーズは頷くものの、「今」のルイーズは何も返答していない。しかしルイーズに未来を止める力はないのである。原題の「アライヴァル(Arrival)」には宇宙人の「出現」という意味と同時にルイーズの精神的な「到達」という意味も含まれていると思う。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする