MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『無限の住人』

2017-05-06 00:17:55 | goo映画レビュー

原題:『無限の住人』
監督:三池崇史
脚本:大石哲也
撮影:北信康
出演:木村拓哉/杉咲花/福士蒼汰/市原隼人/戸田恵梨香/北村一輝/栗山千明/山崎努
2017年/日本

スターと女の子という「組み合わせ」の可能性について

 時代劇のつもりで観に行ったらSF映画だったことに驚いた。カメラに血糊が付くほどの激しいアクションシーンは確かに見応えはあるものの、それ以外に何があるのかとなるとなかなか思いつかない。
 例えば、茶屋で地図を確認している主人公の万次のところへ忍び寄って来た閑馬永空に対してあれほど警戒して差し違えてでも断固として仲間に加わらなかった万次が、尸良や偽一や百琳たちの、いかにも怪しい集団にいとも簡単に加わることにどうしても矛盾を感じてしまうのである。
 だから私の興味は本作の「構造」の方に引かれてしまう。例えば、『SCOOP!』(大根仁監督 2016年)で福山雅治が演じた主人公のカメラマンの都城静には二階堂ふみ
が演じたアシスタントの新人記者である行川野火がいるように、木村拓哉が演じた万次には杉咲花が演じる浅野凛という少女がそばにいるのである。ラストに向かうと共にグダグダになっていくストーリー展開も似ており、かつて一世を風靡したものの40代半ばで芸能界において岐路に立たされている、大手芸能事務所に所属している2大スターが何となく若い女の子をそばに置いてしまう「構造」が興味深いのである。


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