MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『へレディタリー/継承』

2019-01-19 00:55:18 | goo映画レビュー

原題:『Hereditary』
監督:アリ・アスター
脚本:アリ・アスター
撮影:パヴェウ・ポゴジェルスキ
出演:トニ・コレット/アレックス・ウルフ/ミリー・シャピロ/ガブリエル・バーン
2018年/アメリカ

映画のジャンルとの相性について

 「アリ・アスター監督の『へレディタリー』は気味が悪く、それでも人の注意を捉えて離さない、直近50年のホラー映画の中の最高傑作のように感じさせる(Ari Aster‘s “Hereditary” is just that movie – a spooky, hypnotic film that feels like the culmination of the last 50 years of horror)」、「『へレディタリー』はジェニファー・ケント監督の『ババドック~暗闇の魔物~』同様に今のところ国内における21世紀最高のホラー映画を連想させた(Hereditary reminded me also of Jennifer Kent’s The Babadook, the only other domestic horror movie so far in the 21st century truly on the same level)」と映画批評家から絶賛されている。確かに観客を怖がらせる描写はそれなりに見応えはあるものの、ラストのオチはキツネにつままれたようなものだった。窓を破って身を投げて自殺した兄のスティーブ・グラハムの身体に死んだはずの妹のチャーリーが乗り移ったように見えたのだが、スティーブが庭にある小屋に昇っていくと信者のような者たちがスティーブを崇拝するようにして物語が終わり、全てはカルト教団の仕業だということはわかる。
 だから何なのかということを描かなければならないはずなのだが、続編はなさそうで、母親のアニーが制作していたミニチュア模型も活かしきれず、『クワイエット・プレイス』(ジョン・クラシンスキー監督 2018年)と並ぶほどの愚作としか言いようがないのだが、それともホラー映画と相性が悪いのだろうか。


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