MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『スターダスト』

2021-10-24 00:59:23 | goo映画レビュー

原題:『Stardust』
監督:ガブリエル・レンジ
脚本:ガブリエル・レンジ/クリストファー・ベル
撮影:ニコラス・D・ノーランド
出演:ジョニー・フリン/ジェナ・マローン/デレク・モラン/アーロン・プール/マーク・マロン
2020年/イギリス・カナダ

「ジギー・スターダスト」誕生の経緯について

 時代背景はボウイが『世界を売った男(The Man Who Sold the World)』をリリースしてアメリカツアーを敢行した1971年から翌年『ジギー・スターダスト(The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars)』をリリースしたまでのボウイの軌跡が描かれている。
 ボウイにはテリー・バーンズという10歳上の父親違いの兄がおり彼から様々な影響を受けているのだが、テリーは精神疾患で入院しており、遺伝の疾患であるためにボウイは不安を抱えていたようである。病院内で自分は正常で他の患者と違うと主張するが認められないテリーと、自分は「異常」で他の人とは違うと主張するが世間でなかなかヒットを飛ばせないボウイ自身が重なるのである。それどころかアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)とは反りが合わず、ルー・リード(Lou Reed)と会話しているつもりがダグ・ユール(Doug Yule)だったり、ミック・ジャガー(Mick Jagger)は姿さえ現さない。もっともボウイがリードとユールを間違えたのは当然で、ユールはジョン・ケイル(John Cale)の後任としてヴェルヴェット・アンダーグラウンドに加入したのに、ユールはケールと一緒にステージで演奏していたからで、演出間違いでなければギャグなのかもしれない。
 そんなボウイの人生を変えたのがテリーが病院で受けていた別のキャラクターを演じるという治療法だったようで、それがボウイに「ジギー・スターダスト」という架空のロックスターを演じさせ、そのプロモーションは上手く行き世界的な成功を収めたようである。結局、ボウイはシャイだったのである。
 どうもボウイの伝記映画は親族の許可が得られず、本作もボウイの曲は使えなかったのは、息子のダンカン・ジョーンズが撮るつもりでいるからだと個人的には思う。
 作品内で使われていた「I Wish You Would」を和訳しておきたい。

「I Wish You Would」 The Yardbirds 日本語訳

朝早く、日が昇る頃
僕の恋人は行ってしまった
できることなら戻ってきて欲しいよ
僕を愛してみて欲しいんだ
上手くは行かないだろうけれど

夜遅く歩きながらキスをした
僕は気分が良かったと今君に言うよ
君は何をしようとしているの?
僕の他に誰かを愛そうとしているの?

もう一度チャンスをくれないか?
僕はまだ君を愛しているし
君にロマンスをあげたいと思っているんだ
一晩中僕の腕の中でね

朝早く、日が昇る頃
僕の恋人は行ってしまった
できることなら戻ってきて欲しいよ
僕を愛してみて欲しいんだ
上手くは行かないだろうけれど

僕は本当に君を愛しているんだ
君が去って行くのを見ると僕は傷つく

The Yardbirds with Eric Clapton- "Louise/I Wish You Would" Live 1964 [Reelin' In The Years Archives]
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-96024


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