原題:『スオミの話をしよう』
監督:三谷幸喜
脚本:三谷幸喜
撮影:山本英夫
出演:長澤まさみ/西島秀俊/瀬戸康史/戸塚純貴/松坂桃李/遠藤憲一/小林隆/阿南健治/梶原善/宮澤エマ/坂東彌十郎
2024年/日本
意外とユーモアが無いベテラン俳優について
『ギャラクシー街道』(2015年)と『記憶にございません』(2019年)と観て来て、もはや三谷幸喜作品にはそれほど期待せずに観に行ったのだが、思った以上のスベり具合だった。冒頭の室内における長いワンシークエンスショットの撮影方法にストーリーにおけるどのような効果があるのかよく分からない。
しかし何よりも問題なのは三谷幸喜作品に初参加の松坂桃李はともかくとして、同じく初参加で普段は上手いとさえ思わせる西島秀俊の演技にユーモアが全く感じられなかったことで、ただでさえスベっているのに西島の演技でスベリ具合を加速させているようにさえ見えたものの、主人公を演じた長澤まさみと三谷作品常連の宮澤エマの頑張りで辛うじて観るに耐えられるものにはなっているのではないだろうか。
ところで何故ヘルシンキなのかと考える時、『かもめ食堂』(荻上直子監督 2006年)が関係しているのかと思うのは穿ち過ぎなのだろう。