原題:『ナミビアの砂漠』
監督:山中瑶子
脚本:山中瑶子
撮影:米倉伸
出演:河合優実/金子大地/寛一郎/新谷ゆづみ/中島歩/唐田えりか/渋谷采郁/澁谷麻実/倉田萌衣/伊島空/堀部圭亮/渡辺真紀子
2024年/日本
「東京砂漠」から見る「ナミビアの砂漠」について
なかなか理解しにくい作品ではある。そもそも主人公の21歳のカナは人生に悪戦苦闘しているのか、それともただ性に奔放の我儘娘なのか、あるいは箱庭療法のカウンセリングを受けているところを見ると多少なりとも過去のトラウマによって心を病んでいるのか。文脈の捉え方によってカナに同情もできるし、自業自得だと突き放すこともできるのだが、わざわざ映画で表現したのであるならば、監督は主人公に同情を求めているはずなのである。しかしそうなるとカナに関する情報が少なすぎる。
同情という点で言えば、『あんのこと』(入江悠監督 2024年)も含めて、あまりにも主演を演じている河合優実に頼り過ぎている感じがする。両作品ともに河合優実の熱演で辛うじて観賞できる作品になっていると思うが、河合以外だったら目も当てられなかったのではないのか。