矢橋町在住の郷土史研究家から史跡散策案内(彼の作品)を受け取った旅人はすかさず質問をした。
「梅川の墓はここから近いんですか」
「ええ。一応この案内にも載っています。まー、ゆっくり探してみて下さい」
「分かりました。ご丁寧にありがとうございます。本当に助かりましたよ」
「行ってらっしゃい」
私は深々とお辞儀をして矢橋道を西に進んだ。「ゆっくり」という地元民の言葉をその時は軽く考えていた。

浄土真宗本願寺派「湖臨山善行寺」に立ち寄る。竹林を背にした親鸞聖人の銅像がズドーンと建っていた。「時間を無駄にするな。早く行け」と言われたような感じだ。


また小雨が落ちてきた。変わりやすい滋賀の天気である。曇り顔の私は梅川の菩提寺への方向を示す標識を見つけて足を止めた。

「梅川の墓はここから近いんですか」
「ええ。一応この案内にも載っています。まー、ゆっくり探してみて下さい」
「分かりました。ご丁寧にありがとうございます。本当に助かりましたよ」
「行ってらっしゃい」
私は深々とお辞儀をして矢橋道を西に進んだ。「ゆっくり」という地元民の言葉をその時は軽く考えていた。

浄土真宗本願寺派「湖臨山善行寺」に立ち寄る。竹林を背にした親鸞聖人の銅像がズドーンと建っていた。「時間を無駄にするな。早く行け」と言われたような感じだ。


また小雨が落ちてきた。変わりやすい滋賀の天気である。曇り顔の私は梅川の菩提寺への方向を示す標識を見つけて足を止めた。

