今年購入した雑誌のナンバー1である。朝日新聞出版は鉄道開業140周年特別企画として全60冊を刊行する予定で49番目にJR福山駅の特集が組まれた。表紙の写真のほぼ中央に位置するのが福山城の伏見櫓(重文)で(おそらく)福山ニューキャッスルホテルの客室から撮影したものと思われる。
4~5ページの大写真は山手方面から市街地を望んだもので福山港・JFFスチール(前身は福山市飛躍の原動力となった日本鋼管)までもが入っており、この一枚で戦後広島県第二の都市へと昇格した理由が分かる。広大な干拓地及び埋立地は住宅と工場で埋め尽くされているのだ。
厳選!ターミナル駅福山
人口47万を擁する、広島県第二の都市・福山の玄関駅は、明治時代、福山城の堀を埋めて建設され、新幹線開業時には、日本初となる三層構造の駅舎に大改築された。近年は「のぞみ」「さくら」など新幹線の停車本数が増え、四国への連絡も視野に、ターミナルとしての存在感を高めている。
写真=牧野和人(写真家) 文=谷崎竜(旅行ライター)
7ページに掲載された新幹線駅誘致の裏話は初耳だった。福山市が威信をかけて根回しを行い誘致合戦で旧深安郡神辺町に勝利したという。
現在の駅舎は、75(昭和50)年3月の山陽新幹線開業に合わせた大改築によるものだ。城郭や市街地に接し、新幹線敷設のための用地拡張は困難だったため、北隣の神辺町(のちに福山市に編入)に新幹線を通し、福塩線の湯田村駅付近に「新福山駅」を設置する構想もあった。しかし、福山市の誘致運動もあり、在来線の高架化事業を同時進行させ、駅の1階をコンコース、2階を在来線、3階を新幹線とする日本初の三層構造駅となった。
2003(平成15)年10月、福山は東海道・山陽新幹線「のぞみ」の停車駅に昇格する。請願を続けた地元にとっては開通以来の宿願達成だった。
10ページには福山駅クロニクルと題した年表を入れて福塩線の前身・両備軽便鉄道の果たした重要な役割に言及しているのは流石プロの仕事だ(開業当初の路線図も掲載)。呉線、福塩線の全駅解説が鉄道ファンには嬉しいところ。竹原市の忠海駅に光を当てたセンスを私は高く評価する。黒滝山山頂からジャム製造工場周辺(塩田跡)を望む写真は珍しい。定価が580円なので福山の歴史に興味がある方は永久保存版としてぜひ購入して欲しい。
4~5ページの大写真は山手方面から市街地を望んだもので福山港・JFFスチール(前身は福山市飛躍の原動力となった日本鋼管)までもが入っており、この一枚で戦後広島県第二の都市へと昇格した理由が分かる。広大な干拓地及び埋立地は住宅と工場で埋め尽くされているのだ。
厳選!ターミナル駅福山
人口47万を擁する、広島県第二の都市・福山の玄関駅は、明治時代、福山城の堀を埋めて建設され、新幹線開業時には、日本初となる三層構造の駅舎に大改築された。近年は「のぞみ」「さくら」など新幹線の停車本数が増え、四国への連絡も視野に、ターミナルとしての存在感を高めている。
写真=牧野和人(写真家) 文=谷崎竜(旅行ライター)
7ページに掲載された新幹線駅誘致の裏話は初耳だった。福山市が威信をかけて根回しを行い誘致合戦で旧深安郡神辺町に勝利したという。
現在の駅舎は、75(昭和50)年3月の山陽新幹線開業に合わせた大改築によるものだ。城郭や市街地に接し、新幹線敷設のための用地拡張は困難だったため、北隣の神辺町(のちに福山市に編入)に新幹線を通し、福塩線の湯田村駅付近に「新福山駅」を設置する構想もあった。しかし、福山市の誘致運動もあり、在来線の高架化事業を同時進行させ、駅の1階をコンコース、2階を在来線、3階を新幹線とする日本初の三層構造駅となった。
2003(平成15)年10月、福山は東海道・山陽新幹線「のぞみ」の停車駅に昇格する。請願を続けた地元にとっては開通以来の宿願達成だった。
10ページには福山駅クロニクルと題した年表を入れて福塩線の前身・両備軽便鉄道の果たした重要な役割に言及しているのは流石プロの仕事だ(開業当初の路線図も掲載)。呉線、福塩線の全駅解説が鉄道ファンには嬉しいところ。竹原市の忠海駅に光を当てたセンスを私は高く評価する。黒滝山山頂からジャム製造工場周辺(塩田跡)を望む写真は珍しい。定価が580円なので福山の歴史に興味がある方は永久保存版としてぜひ購入して欲しい。