THE FOURTH PARTY

チョイ毒エッセイのようなもの。コメント欄でのやりとりはしません。用事がある人のみ書き込んでくだされ。

本邦初公開、XR250+PWK35M

2007-01-14 01:04:00 | XR250

過去に詳しく紹介した事が無いので。
俺のXR250のキャブは、KEIHIN PWK35Mに交換してある。
もちろん何処かのショップ等のキットでは無く、新品キャブを単体で入手して加工取り付けした物である。

Epsn2643

XR250のリプレスメントキャブで良く話題に挙がるのがKEIHIN PJであるが、何故みんな盲目的に肯定して、ネガを言わないのかが不思議だ。(実物を試した訳では無いので、適当に読み飛ばして下せえ。)
俺は一昔前のカスタムブーム以前からバイクをイジリ壊してきたので、一般平均よりはカスタムに詳しいという自負がある。

バイクのキャブレターを交換して初めて走らせた時、何を感じるのか。
カスタムショップやパーツ店でで扱っているキャブレターキットの多くは、オンロードバイクの場合はファンネル仕様となっている。ノーマルが負圧サーボ(CV)のキャブでベンチュリ径が35だったとして、これをFCR39のファンネル仕様に交換したとする。セッティングも出ている。FCR39のファンネルをチョイスするような人は、当然元々回して乗る人だと思うので、「スゲエ!!」となると思う。
パワーはかなり上がっている筈である。全開域でのツキやパワーフィールも向上する。ところが、他が同仕様でキャブのみノーマルの同じ車種と取り替えながら乗り比べると、街中だと遅くなってる事が判明するのです。※実際にやった事がある。大排気量車だと街中では上まで回せないので顕著。

キャブを交換した時の感動は、キャブのベンチュリ径が大きくなった事から来る部分が非常に大きい。上の例だとさらにCVから強制開閉への変更であり、ノーマルからファンネル仕様への変更であるので尚更。ノーマルキャブのエアクリーナーBOXを取り払ってパワーフィルターにするだけでも結構パワーが上がったように感じる。可変ベンチュリのキャブは、口径をデカくするとスロットル操作に対してのベンチュリの開き量の変化も大きくなるので、レスポンスも上がった気がしてしまう(実際に上がるのも確か)。
あと、レスポンスを決定するのはベンチュリ長さ。コレに関してはPJはブッちぎりの薄さであり、キャブが本来持っている特性としてはFCRなんかよりも過激なんである。

さて。
前回の坂内2DAYSエンデューロはPWKに換装した俺のXR250を使用し、俺を含めて7名のライダーが乗った。が、4人位文句を言う人がいた(爆)。当然セッティングは出ているし、俺は全く不具合は感じないのだが、「キャブが不調だ」と伝えられてそのまま俺にライダー交代しても、全く絶好調。PWKでも低回転域から急開するとエンストしたりボコついたりする。つまり万能では無いという事なのである。

2st用の強制開閉のキャブはレスポンスは良いのだが、霧化特性が悪いという欠点がある。ベンチュリを薄くする為にフラットバルブにすると、面圧が増える事もあって張り付き易くなる。ケースリードバルブの2stはシリンダーに直接キャブが付いているのではなくて、一次圧縮の為に一旦クランクケースに入る。4stで言えばエアクリーナーBOXよりも手前にキャブが付いてる様なモンであり、しかも4stのような弁機構も無いし圧縮も低め。2st用のキャブをそのまま4stにくっつけたら、問題が出ない方がおかしいと言える。

このあたりのネガを解消する為に作られたのがFCRである。ただ2st用の強制開閉のネガを解消する為に、切り捨てた部分もある。主にベンチュリの長さとキャブボディのサイズ。FCRはそもそもはキャブの大口径化に対応する為のキャブでもあるので、33位だと微妙な存在である事は間違いない。でも「4stモトクロッサーはレスポンスをボカす為にFCRを採用している」というのは、ちと乱暴な表現かと感じる。

各ショップからリリースされているFCRのキットを見ると、XR250(MD30)用としてはFCR33の様だ。ME08用にはFCR35の用意されているのを見ると、MD30にFCR35を付けると多分セルに当たってしまうのであろう。35以上がラージボディ
PJの場合はセルが付いてても36を取り付け可能というのは他のキャブに対して大きなアドバンテージである。XR250は元々遅いので、街乗りで使用する場合でも低回転がスッカラカンでもそれなりに乗れてしまうという理由もある。
FCRは前出のキャブキットの様な存在のお陰か、必要以上に「過激なキャブ」と思われているフシがあるが、本来は優等生なキャブであり、PJと直接比較するのが難しいというのが俺の意見である。

前置きが長くなってしまった。
俺としては上の様なアンチテーゼがあったので、とりあえずPJとFCR、ME08純正キャブ以外からチョイスしたかった。PJを自分で加工して取り付けたらパクリだしね。
で、真っ先に考えたのはレクトロン(←バカ)。これはあらゆる面で余りに非現実的なので、速攻で却下。次に考えたのはTMかTMX。むしろPJよりもシブい選択と言えるのだが、これも本体の入手性とセッティングパーツの入手性を考えて却下(強制開閉のキャブはハリがキモになるので、セッティングパーツの入手が難しいMIKUNIだと困る事になる)。で、半ば妥協案としてPWKを選択した。
PJは本来はホンダの純正キャブとして開発されたらしく(というかKEIHINがそもそもホンダから出資を受けており、現在もホンダはKEIHINの株を保有している)、単体パーツとしては門外不出。MIKUNIはむしろKEIHINよりも「純正キャブメーカー」としてのイメージが強く、TM等も基本的には門外不出である。(※この門外不出の件に関しては、少し自信が無い。間違ってるかも?)
PWKはそもそもカワサキ純正として開発されたらしい(KはカワサキのK)。一応PJの進化版という位置付けがなされているが、恐らく大人の事情があるのでしょう。特殊三日月バルブとは言うが、実際の断面は椎茸。霧化特性向上の為であろう、茎の部分にニードルが収められ、ニードルが極力ベンチュリの手前側に来るような工夫が為されている。PWKは単体入手可能(節操が無い?)なのでとにかく安い。(※以前PJが単体で値段つけられているのを見たような記憶が…PWKよりもさらに安かったと思うが、記憶がカナリ怪しい)
PWKは原付チューンやモトクロッサー等にバンバン使われてガタガタになるイメージが強く、どうにも使い捨てキャブの印象が拭い去れないのだが、最近はスライドバルブもメッキ仕様になっているので信頼性も向上している様だ。
何と言っても我がXR250のコンセプトである「邪道」にピッタリだと考えて決定。

海外のKEIHINのサイトや国内のKEIHIN取り扱い代理店からキャブボディのサイズが公表されているのでチェック。MD30純正のインシュレータを使う以上は35以下の物でなければ加工が困難である事が判明。

PWK本体は新品単体で12000円位だった。ハイスロは、昔友人から貰った物を持っていたスロットルワイヤーはCR用の純正部品で2000円位だったか? コンチューブへのサイズ合わせ用のカラー製作の為に65パイのA5056丸棒(笑)を長めのサイズ(30cm位)で切り売り購入。3000円位。あとセッティングパーツで合計4000円位(一部通販となり、送料含む。又デイトナ等からリリースされている非純正のジェットも使用)。
・・・と見栄を張って安めに言いたい所だが、実はME08用の純正のインシュレータとコンチューブを採寸の為に無駄に買っている。ME08のインシュレータを使用した方がキャブをエンジン側に寄せる事ができるので有利だったが、キャブがセルに当たってしまうので使えない。コンチューブも差込径が小さすぎてPWKのフィッティングには不向き。最終的にもドレンプラグが軽くセルに当たってしまう結果となったので、ドレンプラグをほんの少し削り、ゴムシートを挟んで対応した。

坂内2DAYS終了後から放置状態のPWKを掃除してやった。エンジンが変わっているので、当然キャブセッティングを変えてやらなくてはならない。取り敢えずMJを10番上げておいた。

追記です。
この件が物議を醸してしまったり、火に油を注ぐ結果になるのを恐れて。なので敢えてココで更新した事はブログTOPには案内してない。

しっかり読んで頂ければ判ると思いますが、上の記事は「どのキャブが良いか」を判断する物では無い。もちろん特定のどれかを否定肯定する物でも無い。
もしも俺が既製のキャブキットの中からチョイスしたとすると、ドレを選んだのか・・・コレも判りますよねえ、わざわざ俺自身2st用のキャブを付けてる位なので。敢えてハッキリ書かなかっただけだ。
俺が以前とある雑誌で何故かコラム(エッセイ的…俺はバイクの専門家ではないので)を書いていた時に、たまたまある特定車種のFCRキャブキットを否定する意味合いの記事を書いたら、「FCRがダメならTMRならいいんですか?」と的の外れた(スミマセン)解釈&質問を受けた事があった(似たような質問が何件もあった)。別にFCRそのものを悪く言ったつもりは毛頭無かったんですがね。物理的にその車種に取り付けるのにかなり無理があり、キットと呼べる様な物では無かったから書いただけだったのに。ベターな解決法(ベストではない)は素人な俺でも思いつくのだが、あれから何年経っているのだろう、未だドコのショップでも対策してない。近所のバイク用品店でも堂々とデモ車を置いてある(爆)。

最後に一言。
今回はもっと奥が深い。WEB上でも時々「あっ、この人多分俺と同じ意見だな・・」という人見掛けますな。また機会あればいずれ…。

コメント (2)
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