冬休み中にXR250のスペシャルエンジンを自宅で組もうと思い、スタンドに搭載したエンジン本体とパーツ類、工具をハイエースに積んで持ち帰ったのだが、なんと殆ど作業は進んでない。
妊娠中の嫁さんの具合が余り良くなく、結局12月30日から1月5日朝迄、家事を全てやっていたので。
炊事、洗濯、掃除、買い物、チビ二人の相手・・・嫁さんは完全に寝てるだけだったので全部やった。
子供の頃からそれなりには家事を手伝ってきたので、一種類の作業だけやれば良いのであれば、あまり苦労はしない。だが夕方以降は色々な作業を一気にやらねばならないので大変だ。
初日はちょっと戸惑った。普段は会社でも昼飯は自分で作って食べているとはいえ、スパゲッティやレトルト系だから料理と呼ぶには程遠い。5年以上は目玉焼きすら焼いた事が無い位だから当たり前だ。一番困ったのは、調理器具や食材、食器、調味料等が何処にあるのかサッパリ判らない事。オマケに台所が整然と片付けられている訳でもないので(苦)、手の届く所の整理から開始。
二日目は初日の反省を活かし、なかなかスムーズな進行ができた。次の日の仕込みまでやった。
三日目には楽しくなってきた。勿論、大した料理はしていないのだが、時間的な余裕も生まれてきた。計画的にキビキビとやれば、昼間に6時間位は自分の時間を作れる事も判った。世間の奥様方の「三食昼寝付き」なんて意味も判るなあ・・・。
段取りとか整理整頓が大事なのは、仕事と全く同じ。味がウマイかどうかは別の次元の問題ですが。
そんな中、5年以上作業した事がない自宅のガレージを片付けつつ(これがまたメチャクチャ)、少しXR250のスペアエンジンの組み立てを進めた。
●ヘッドの組み立て(圧縮比の測定をした時は、古いバルブスプリングで仮組してあった)
インナースプリングはアウターに比べて、リテーナーによってかなり圧縮されるので、ヘタリが激しかった。
新品のスプリングにも個体差により自由長に差がある。長い組み合わせの2セット(写真の左側2セット)をインテーク側に使った。バルブコッターをセットしたら、ステムシャフトをプラハンでコンコンと叩いて馴染ませる。
●カムシャフトとロッカーアームシャフトのラッピング
新品のカムシャフトやロッカーアームシャフトは、焼入れした時に生成される黒皮がかぶったままになっている。黒皮イコール焼き付き、という訳では無いのだが、初期トラブル防止の為にラッピングしておく。
使用したのは精密研磨フィルムで#2000と#4000。ホームセンターで入手可能。水研ぎするわけにはいかないので、CRCを使った。この後バフで軽く磨く。
カムスプロケットは、定番のME08用の純正品。ME08は国内レーサーが存在したので、ホンダの店に行けばパーツリストが置いてある。注文するにも面倒が無い。
●タペットカバーの組み立て
タペットカバーは既にブラスト(ハード)を掛けてあった。以前友人のMD22エンジンのOHをした際にロッカーアームシャフトが固着していて緩め難かったので、スペアエンジンをバラし始める時に真っ先に緩めておいた。
何故か既に緩めようとした形跡があり、六角頭がナメていたのでエキストラクタにて抜いた。
通常、銅ワッシャはネジ専門店にてバラで入手しているが、今回は買うのを忘れたので再利用。オイルストーンで研いでやると新品に復活(ショボい・・・)。
●プライマリドライブギアの取り付け
この作業にはSSTが必要とSMに記載があるが、写真の様な方法で大丈夫だった。
●オイルポンプの取り付け
俺のMD30は最初期型である。有名XRショップのHPを見ていたら、オイルポンプが途中で変更されて吐出量が増えているらしいので、改良型をASSYで入手した。スミマセン、参考にさせていただきました。
既存をOHして使うよりも手間暇も掛からず良かろうとの判断。
新旧をバラして採寸してみたかったが、面倒なのでヤメ。トロコイドが少し見えるので観察すると、ナルホド。新型のトロコイドの方が分厚い。
●ヘッドの取り付け
一応このエンジンはチューニングエンジン(笑)なので、SMに記載される数値よりも少し強めにボルトを締め付ける。
因みに俺は昔からバッタ物のトルクレンチを使用している。俺が信頼するとあるエンジニアによると、このバッタ物でも数値的には殆ど狂いは無いのだそうだ(実測の結果)。
喩えブランド品でも、トルクレンチはメンテナンスや調整が必要である。それを考えるとバッタ物を買い換えて使った方が良いという考えに基づく物であります。
さて、今回使用するピストンはタケガワの物であり、カムシャフトはHOTCAMステージ1である。
通常、未知の組み合わせの場合はバルブがピストンヘッドを突く可能性があるので、例えば粘土等によってクリアランスを計測するらしい。
以前の記事でも触れたが、タケガワのピストンはノーマルに比べてリセスが深い。理由は(憶測であるが)、タケガワのXR250用のカムシャフトに合わせた物と思われる。
実は使用するHOTCAMは2年以上前に入手した物である。あまりのパワーの無さを改善する為に最も先に入手したXR250用のパーツがこのカムシャフトなのであった。
タケガワからピストンがリリースされている事を知ったのは随分後で、カムシャフトの存在を知ったのはピストン注文時点であった。このカムシャフト、何故かWEBで公開されているタケガワのカタログには記載されておらず(見落としているかも)、冊子にのみ記載されているのである。スペック等は不明だが、多分リフト量が大きいのであろう。
対してHOTCAMは、カム山を計測する限りではリフト量はノーマルとほぼ同等である様だ(ステージ1はノーマルバルブスプリング対応となっている)。なので、安心して組み込みができる。
ちなみにME08のカムシャフトという選択肢もある。こちらもどうやらMD30とリフト量は変わらない様だ。
XRの作業はたったコレだけです、スミマセン。
加えてガレージの片付け。
このガレージの中には、まずバラバラのVmaxが1台。これは元々ロードゴーイング・ドラッグレーサー的なマシンを製作しようとして、壊れた俺の初代Vmaxをイジっている途中の物である。改めて見直してみると、結構作業は進んでいる。総FRPのオリジナル外装、超ローダウン、小型燃料タンクの型取り等々。
が、多分コレ、もう乗らないだろうなあ。と言うよりも、イジっている時間が無い。
このVmaxの部品(つまり一台分)と、他の部品取りVmaxから剥ぎ取った部品(エンジン含めて1台分、但しフレームとフロント周りは無し)、その他当時部品交換会等でコツコツと集めた部品(外装が中心)等、Vmaxの部品で充満している。
先日の氷上走行時に転倒して壊れた部品のスペアを探し出しつつ、懐かしい部品群を物色。
もしも新型Vmaxが発売されるならば確実に購入するつもりであるので、「新型と同時に所有していても価値のある旧型」をコンセプトに、軽くカスタムしたい。作業を本格的に始めるのは、XRが完成してから。