THE FOURTH PARTY

チョイ毒エッセイのようなもの。コメント欄でのやりとりはしません。用事がある人のみ書き込んでくだされ。

俺のXR250の最大の自慢

2007-01-17 11:11:40 | XR250

俺のXR250のミャフリャーは自分で作った物であるが、このブログを始めた時点で既に使用しており、特に詳しく紹介した事が無かったのでここで紹介。

自分で作ろうと思った理由は、気に入った形状の物が無かった事(サイレンサー)、殆どの市販エキパイは径が細めで管長を長く取ろうとした意向が見受けられるものの疑問があった事、単純に作ってみたかった事。
仕事で金属加工をやってはいるが、パイプを曲げるという作業は殆どやらない。ベンダー屋さんに外注である。せいぜい遊びでやってみたとか、パイプではなくてフラットバー(平棒)や丸棒ならば経験がある。

Epsn0911

最初に考えたのは、曲げではなくて輪切り・・・俗に言う「エビ」ってヤツ。で、フランジを作って、コツコツと途中まで作ったのだが(上の写真)、突然気に入らなくなって廃棄処分(爆)。要するにヘタクソだった訳である。
ちなみに市販ミャフリャーの溶接について・・・。バイク用品店に行くと必ずジックリ観察させて貰っている。何箇所も溶接された箇所の殆どが綺麗なビードを描いているのに、所々余り綺麗ではない箇所もある。憶測ではあるが、綺麗な箇所はターンテーブル(母材を固定したテーブルが一定のスピードで回転する。トーチも保持器で固定する場合もある)を使い、最後の組み立てでは使っていない(事実上使えない)のであろう。

Epsn0910

結局パイプに砂を詰めて曲げる事にした。パイプの片方にアングルを全溶接して蓋をする(単なる鉄板よりもアングルの方が万力に銜えやすい)。完璧に乾燥させた砂を詰める。俺は仕事用に在庫しているセメントを捏ねる山砂を使用した(篩に掛けた方が良い)。一度に詰めようとしても密度が均一にならないので、少し詰めては棒で突き・・・を繰り返してスリキレまで入れる。最後に木片を叩き込んで蓋をする。鉄板ではなく木片を使う理由は、叩き込む事によって更に砂をしっかり詰め込む為である。1m程度のパイプだと、丁寧に棒で突いて砂を詰め込んだつもりでも、木片は5cm位も入ってしまうのだ。

Epsn0914

バーナーは切断作業に使う酸素アセチレンバーナーを使用。No.3という火口(ノズルが大きい)を使用した。一箇所を集中して炙ると穴が開いてしまうので、バーナーを常に動かしながら炙る。
後は炙りながら力を掛けてやるだけだが、カナリの力を必要とする。ステンレスの32パイと38パイで、共に肉厚1mmの物を使用したのだが、32パイで何とか。38パイは少し曲げるのがやっとであった。
バイク雑誌などでマフラー屋さんがパイプを曲げている写真を見る事があるが、かなり長い状態の物を曲げている。俺は砂を確実に詰め込む為に事前にパイプを短くしてしまったので大変だったのかもしれない。
しかも二次元状態に曲げるだけでメチャクチャ苦労するので、とてもじゃないが三次元形状には加工できない。そんな訳で二次元に加工した物を切り貼りしてやった。砂を詰めて曲げると断面が楕円的に変形してしまうので、曲がりの向きを変えるのは至難の業。市販マフラーでも安物(失礼)は曲げ加工を機械にて行っているものの、概ね同じ方法で組み立てられている。だが繋ぎ位置は直線部分である。この辺りの市販マフラーは加工性の為に楽なレイアウトを選んでいると言える。

サイレンサーも手作りである。
最大の問題になるのが、サイレンサーパイプの材料。メーカーのマフラーを研究すると、主な方法は二種類。マフラー用に用意したパイプ(カーボンやアルミ、SUS)を使う。これの場合はサイレンサーパイプに繋ぎ目が無い。もう一つは板金を三本ローラーで曲げて作る方法。後者は俺には事実上無理だ。我社には三本ローラーは無いし、外注先にもやってくれる所が無い。仕入先に一社、三本ローラーを持っている所があるが断られた(建築トタン板金の折り曲げをやっている会社で三本ローラー導入後、2回位しか使った事が無いのだそうだ・・・しかもその2回とも俺が発注した物らしい・・爆)。

さて前者の規格のパイプを使用する方法、コレも問題アリ。サイレンサーに使われるパイプは肉厚が非常に薄く、一般に流通していないのである。最近は小分けしてくれるショップもあるみたいだが・・・・。※出来る限り仕事の取引先から入手しようとしているので限界がある・・・殆どは建築や装飾関連の資材から選ぶ事になるので。

結局悩みに悩んで、規格パイプの中から使えそうな物をチョイス。A6063というアルミ合金で、アルミサッシと同じ材質。所謂押し出し材である。押し出し加工性が良く、ニーズに合わせた断面形状の物が製作できるので、型材の種類も豊富なのだ。ホームセンターで売っているアルミの型材は全てコレで、板材は大体がA1100。6063は最も一般的なアルミ合金といえるA5052の1割~2割減の強度、1100はもっと弱くて半分位。建築や装飾業界ではこの材質が主流。
選んだのは100パイの肉厚3mm。結構肉厚だが、アルミの比重は鉄の3分の1位なので、1.0tのステンレスを使うのと余り変わらんだろうと割り切った。※本当は旋盤で削って肉厚を落としたかったが、我社の小型旋盤では無理と判断した。

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MFJレース対応風のエンドピースはステンレス板を切り出して手で曲げ、溶接、磨きを繰り返して製作。ちなみに以前、型に捉われたオフロードバイク界にアンチテーゼを感じてスラッシュカット(要するに竹槍)のサイレンサーを作って練習走行に行ったら、他の走行者からクレームを受けた事があった(爆)。

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中身のパンチングパイプも手作り。というよりも、パンチング板が手作り。材料屋さんに頼むと1000*2000のサイズが来てしまうので、CADで穴位置の原寸を作ってプリントした紙をステンレス板にデザインボンドで貼り、ドリルで穴を開けた。2時間位掛かったわい。規格のパンチングはその名の通り打ち抜きで作られているが、俺のは正確にはドリリング板か。コイツを丸めてパイプ状にする。
グラスウールはサイレンサー用の物の手持ちが少なかったので、断熱材のグラスウールを巻いてやった。

Epsn1015 

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一応、カタチだけ作った訳ではなくて理屈も考慮している(理に適っているかどうかは別問題?・・・人はコレを屁理屈と呼ぶ)。
パイプ径、集合位置、パイプレイアウト、テーパーコーン(チャンバー)の形状と位置、パンチングの穴径とピッチ(ナントカの逆笛の原理・・・)、出口口径、取り付け強度(ノーマルXR250はシートレールの強度をある程度マフラーに依存している)などなど。
まあ、何種類も試作してテストした訳ではないが、性能としては十分納得の行くレベルだ。ただテーパーコーンの設定が悪かったのか、音質が今ひとつ。スーパートラップみたいにポコポコ言う。音量にも気を遣ったつもりだったが、アイドリングは至って静かであるものの全開にするとウルサイ。一般的なトレール用サイレンサーよりは少し大きめ、モトクロッサーのフルパワーマフラーよりは静か。
まあ、市販品でも一車種当たり何種類もテストするメーカーはあまり無いので、これぐらいに出来てれば及第点。

最大の欠点は、仕上がり見た目の悪さか(爆)。

コメント
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