ハンショウヅルが咲いた。林道わきの擁壁から垂れ下がっていたが、毎年咲く場所なのに気が付かなかった。
周辺の林道わきには「ツルニンジン」も咲くので、そればかり探しながら通っていたから見逃したのだろう。しかし、今年はツルニンジンの花は見られそうに無い。
数年前に「朝鮮人参より薬効が高い」と放映されてから、根茎を掘り採られつつ数を減じてきた。「豊かな里山」など、過去の幻でしかなくなった現在、山菜や野草の採集は、すでに「マナー違反の域」に達していると思っている小生の血圧は上がる。
いつもは花を手に取って見るような事はしないのだけれど、雄しべ雌しべがどうなっているか覘いてみた。外観に似合わずビューティフルでなく、ガッカリした。
幼子は水辺に群れて戯れる水面に群れるオタマジャクシに
次々と水面のぞくや幼子の歓声を聞く沢の一日
幼子はオタマと同じ連れだって水辺に寄りて今日も午後まで
幼子の歓声届く森の中水辺に集う姿想えり
刈り払う音は消されて風に散る乗って届くは子らの歓声
同定できる知識はないが、縁紋の赤いのは「アサヒナカワトンボ」と勝手に思っている。同種を検索するとバリエーション豊富で「判る訳がないだろ!」とふてくされるだけである。
縁紋の赤いのは多く存在せず、たまに見るだけだから「ラッキー」な赤だろうし、紅を差したような縁紋は好きなタイプである。
右の個体は、綺麗とは程遠く、メッキが剥げたような尾をしていた。手に取って確認したわけでもないのだが、泥が付いたのとは異なる質感だった。
生息環境を悪戯している手前、水見回りは欠かさないが、折々に周囲を飛ぶトンボは平和そのものの様に見える。カワトンボやイトトンボが争う姿は見ないけれど、シオカラトンボは攻撃的だ。縄張り争いでヤンマ類にも平気で挑みかかる。
トンボ池で羽化したばかりのトンボを見つけた。大きい方は翅が乾いた頃にのぞいたらシオカラトンボの♀のようだった。
イトトンボは島の草刈りを終え、集草中に深みに入り長靴が水没してしまったから、丸太橋に座り、靴下を絞っていた時に直下の茎にいたのを発見した。体長は35mm前後、小さかったから、昨年産卵を見たセスジイトトンボ?かと思ったが、サイズが大きい。
時間をおいて確認しようと思っていたところに、おチビちゃん一行がやってきた。ここの最小トンボを見せてあげようと、「そっと見るだけ。触ってもダメ」と言いつつ見せようとしたのに、ハルジオンの茎で払われて行方不明になってしまった。小生が馬鹿だった…。
抜け殻の下、水面に何体分かの抜け殻があった。尻に二本の尾があったから、カゲロウかと、その時は思ったのだが、この抜け殻も同じような尾がある。もしかしたら数体が飛翔したのかと探したが見つからなかった。やっぱり小生は馬鹿だった。が、サイズと体色から推定するとキイトトンボが妥当か…。
一夜にて山に散りたるガマの子ら
集散もオタマジャクシの自由律
泥に這うヤゴも程なく児のヒーロー
羽化に遇う命の精緻見る如し
今日はどこ昨日はあそこ玉の群れ