澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

「Japanデビュー アジアの”一等国”」から1年

2010年04月05日 23時49分13秒 | 歴史

NHKが「Japanデビュー アジアの”一等国”」を放送してからちょうど1年が経った。
この番組は、「未来を読む鍵は歴史の中にある」と仰々しく謳い、2万点もの台湾総督府未解読文書を読み解いて作られた」と喧伝されていた。ところが、期待した視聴者は、その杜撰な内容に完全に裏切られた。

この番組で日本の台湾統治を象徴するキーワードとして挙げられたのが、「人間動物園」という言葉。台湾の原住民であるパイワン族をロンドンの万国博覧会で動物のように展示したというのだが、それは事実はないことが判明し、パイワン族の人からも抗議が寄せられた。NHKは、史実をねじ曲げてでも「日本の台湾統治」「日本の植民地支配」を糾弾し、「ひとつの中国」「台湾は中国の一部」という中国の主張に迎合した。

ところが、昨日NHKで放送された「アフリカン・ドリーム」という番組を見て、NHKの無節操、いい加減さがまた露呈した。この番組では、アフリカのルワンダを採り上げていた。以前、ルワンダ内戦という言葉をよく耳にした。NHKはその内戦の原因をベルギーの植民地支配にあると説明する。宗主国・ベルギーは、ルワンダの2割に過ぎない人口のツチ族を優遇し、多数派のフツ族を抑圧するという分断統治をおこなった。驚くのはその理由だ。ベルギー人は、ツチ族の容貌が白人に近い、それ故に優れた人間だとして優遇したのだという。ツチ族の鼻は比較的高いが、フツ族の鼻は低い。それだけの基準で、人種的に白人に近く、優秀なのはツチ族の方だと判断したのだそうだ。

ここで問題なのは、NHKの二枚舌、ダブルスタンダードだ。「アジアの”一等国”」では、史実をねじ曲げてまでも、「人間動物園」の話を持ち出して、日本の台湾統治を貶める一方、「アフリカン・ドリーム」では、ベルギーのめちゃくちゃな植民地支配を否定することもなくただ放送した。この違いはいったい何なのだろうかということだ。

後藤新平や八田與一の功績が、西洋列強と同様の「植民地支配」という概念で一緒くたにされるのは、あまりにひどい話ではないか?ベルギーは、なにひとつルワンダの近代化に貢献しなかったが、日本は台湾の近代化に大いに寄与したのである。それは、私がUPした下記の映像を見れば、一目瞭然だろう。もし、日本が台湾を統治しなかったとしても、当時の国際環境を考えれば、台湾は西洋列強のいずれかに植民地化されていた可能性が高い。であれば、台湾がルワンダのようになっていたかも知れない。私は、植民地支配を肯定する訳ではないが、現代の価値基準だけで歴史を見ることは誤りだろうと思う。

NHKは、このまま頬被りを続けるのだろうが、公共放送の仮面をかぶったNHKの素顔は隠しきれるはずもない。

米国から見た日本の台湾統治~「知られざる台湾・台南市」より