エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

別れの季節に

2010-04-01 | 日々の生活

不思議な感慨に浸ることがある。
今学期が終わる今日、武琉は学校を離任される先生とのお別れのために、登校した。
昨夜、転勤の決まった担任のM先生に武琉はお礼の言葉を書き、じいちゃんも一言を添えた。娘も気持ちだけのハンカチの贈り物を準備していた。

 1年生の武琉は、家に戻るや炬燵に横になり、手を組んで頭を支えて天井を見上げていた。ぼけーっとしていた。
こんな子供にも何となくさみしい心があるのだろうか、一年間お世話になった先生のお別れの言葉を反芻しているのではないか。と想像した。
武琉の担任だったM先生は、本当にいい先生だった。せっかくお世話になりたった一年だけでのお別れが惜しい。先生の新任地での活躍を祈念した。

 春を思わせる陽気になった庭へ出て、土から顔を出した新しい緑を眺めていたら、わからない切なさがこみ上げてきた。
別れはいつも切なく哀しいものだ。生涯いろいろお世話になった人々とも幾多の別れがあった。
父と別れ、母と別れた。そして、いつか来るだろう、最愛の家族との別れを思った。

餌台に来たヒヨドリが、こちらをうかがいながらリンゴの皮をついばんでいる。
お前たちにもそんな感情があるだろうか。
(2010.3.31)