例年モートンイトトンボが見られる田んぼのあたりを歩いた。
猪苗代湖からの水は清らかで、川底の土砂は透き通ってきれいに見えた。野鳥のさえずりが聞こえ、あらためて里山の豊かな自然を感じた。
【トラクターが出た 農作業が始まっていた。】
今の時期は林の中の地形がよく分かる。葉が繁るとなかなか歩けない小川の辺にショウジョウバカマの花が開きはじめていた。
春一番のショウジョウバカマはまだつぼみのもの、開きかけのもの、咲き出した花も花茎は未だ短かった。
花びらはピンクの濃いものから白に近いものもあった。葉の色が紅いものもあった。この色素は低温による凍結を避けるため蓄積したアントシアンらしい。
雌しべの柱頭のクローズアップ。雄しべは未だ花の中に入ったまま。濃い紫色は雌しべだ。
【つぼみが出てきた】 【 開いてきた 伸びている柱頭】
【未だ花粉を出していない雌性期】 【花粉を出している両性期。】
小川の岸には青々したシシガシラから枯れた実葉が伸びていた。 どこにも目立つフキノトウ麗し。
サンシュウの枝にホオジロ ヒュウガミズキか
サンシュウの実と花 コブシ
銀白色のネコヤナギ(雄花)が逆光に輝いていた。 鱗片が黄色いのは何というヤナギだろうか。 新芽が出るころ、花を詳しく観察してみよう。
数年前に、同じような豊かな林の中を流れる小川に、上流の工業団地開発に伴いコンクリートのU字溝が敷設され、暗澹たる気持ちになったことがあった。
当然、川底に石や砂がないので植物も水生生物も棲めなくなり、おまけに、流域の雑木も伐採され蝶の集まる樹液もなくなってしまった。
また、一昨年は、町内にわずかに残る田んぼも住宅造成工事で無くなってしまった。田の脇を流れる小川にはドジョウやサワガニが棲み、ときどき孫を連れて観察していたものだ。
春の里山で、この自然環境がいつまでも残って欲しいと思わざるを得なかった。