数日前、咲き誇るツルフジバカマの美しい紫色の花房に、絶滅が心配なヒメシロチョウが無心に蜜を吸っていた。
今朝、そこだけに細々と生き延びているこの愛おしい貴重なチョウの姿を撮りに行くと、心配が的中、堤防の大がかりな草刈りが行われていた。
ひ弱に舞いツルフジバカマに産卵するヒメシロチョウを横に、乗用の草刈り機がひたすら草を刈って行った。
こんな切ない、無惨な光景はなかった。
河川敷や耕地管理のための除草の意義は理解できるが、もっと生態系への配慮が必要だと思う。
昔のように鎌で刈る、環境に優しい草刈りは無理としても、広い範囲を一斉に刈ることは、チョウを絶滅へ追いやる理不尽なものだ。
草刈りは、時期や場所をずらすなど、より慎重であって欲しい。
刈り取られた草の上にか弱きヒメシロチョウが止まった。
彼女はどこに卵を産んだらいいのかと訴えているようだった。
こうしてミヤマシジミもジャコウアゲハも見られなくなった。