
24日の朝、作家・北杜夫さんが亡くなった。
その作品はほとんど蔵書とし、本棚に揃って並んでいる。若き日に、愛読した特別な作家だ。
「幽霊」「どくとるマンボウ昆虫記」、「楡家の人びと」「少年」、、「羽蟻のいる丘」など、胸躍らせて読んだ。
あの分厚い、白い布装丁の「楡家の人々」に感動し、「幽霊」の一節「人はなぜ追憶を語るのだろうか。・・・・」を暗誦した。発刊と同時に求めた「或る青春の日記」には、信州松本での青春の赤裸々な自画像を見た。
拙ブログ【懐かしの北杜夫 2008-04-12】
http://blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/e/11cd6a517c623ef6a0d9be542297f64d
美ヶ原でのチョウとの出会いの光景が、昆虫少年の目に重なった。
全学部の部活の合宿であの思誠寮にも泊まることが出来た。そして寮歌「春寂寥」も全部覚え歌った。すべてが遠い思い出だ。
やがて興味は北杜夫から斎藤茂吉へ、上山の金瓶や最上川に茂吉の面影を追ったこともある。
父・斎藤茂吉の生涯を書いた4部作、《青年茂吉》《壮年茂吉》《茂吉彷徨》《茂吉晩年》を求め、ときどき手にとって、茂吉の歌を読み上げてたりしている。
拙ブログ【 歌聖 斎藤茂吉を訪ねて 2007-01-28】
http://blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/e/470a17da4018ca2d344c11de5b822ccc
北杜夫は大好きな作家だった。あの一文一文の素晴らしい文体、ユーモアあふれる文章に魅了される。「楡家の人々」や、すり切れるほどに読んだ文庫の「昆虫記」は特別懐かしい。もう一度、北杜夫作品を楽しみたいと思っている。
マンボウ先生のご逝去を知って巨星が消えたようで大変残念です。
マッチャンさん同様、私もマンボウ先生にずいぶんと影響を受けました。
青木村にある「信州昆虫資料館」の掲示板をご覧ください。マンボウ先生の晩年にかけた活躍の形跡を知ることができます。新部さんという方が大変ご尽力されていますので、是非ご覧ください。
彼の作品に登場する虫たちとの出会いの光景に私の信州での日々が重なります。すべてが遠い思い出ですが。
素晴らしい「信州昆虫資料館」初めて知りました。
館報のバックナンバーゆっくり見たいと思います。
もう開館20年ほどになるのですね。
毎年近くへ行きながら知らずにいて残念でした。
今度はかならず立ち寄りたいと思います。
ありがとうございます。
虫嫌いの我が家の妻も、この本で少し蟲好きになりました。
我が青春の日々が、北さんの本の虫との出逢いに重なります。